甘い香りに引き寄せられて ~正体不明の彼は、会社の××でした~

エピローグ



「社長、新商品のフレグランスの売れ行き、すごくいいみたいですね。私の友人も買ってくれたみたいなんですが“好きを纏う”っていうコンセプトが素敵だって褒めてくれました」
「そうか、それは良かった。だけどもう退勤後なんだし、社長じゃなくて名前で呼んでほしいな」
「あ、そうでした……ごめんなさい、優雅さん」

 結香と優雅は夜の街を並んで歩いていた。
 勤務を終えた二人が向かう先は、二人が暮らしているマンションだ。
 
 恋人同士になった二人は、現在は同棲をしている。来年には籍を入れる予定で、結婚式に向けて色々と準備を進めているところだ。

 また商品開発部で働いていた結香は、静香からの推薦もあり、現在は新社長となった優雅の秘書として働いている。
 といっても結香は秘書の経験などなかったので、秘書業務に必要なスキルを身につけるために秘書検定を受けたり、静香に付いて回りながらみっちり指導も受けている。

 つい最近、新事業として始めたお香やフレグランスは売り上げもうなぎ上りで、SNSでも評判になっているらしい。

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