真夜中の償い

幸せな未来へ

結婚式には日本からは相馬夫妻 裕司とシスターマザー母娘も招待した。

残念ながら裕司の奥さんの洋子さんは子供が生まれたばかりで、来ることは叶わなかった。

リアムはプライベートジェットでのフライトを手配してくれた。

由里はみんなに会えて感慨もひとしおだった。

ミッシェルに真理子とご主人のジョン、相馬の息子の省吾やSKホールデイングスでお世話になった方々も招いた。

リアムの方はもっと大変だったほんとに内輪だけと言っていたが、結局仕事関係でも選別が難しくリアムの方だけで200人以上にもなってしまい。

それを何とか150人までに抑えてもらったが、結局総勢200人以上になってしまった。

披露宴はこじんまりとはいかなかった。

もちろんグランパとグランマもダブリンから前日に、ニューヨーク入りしてくれた。

二人はペントハウスに初めて泊まったらしい。前日は4人で寿司を食べに行った。

すっかり和食にはまった二人の希望である。

そして6月下旬の土曜日、マンハッタンの歴史ある教会で結婚式が執り行われた。

ニューヨークでも観光名所になるくらいの教会なので、マスコミの取材もすごかった。

さすがリアムの結婚式だ。ほっておいてはくれないらしい。

リアムと由里は教会の長い通路を二人でゆっくりと歩いて祭壇に向かった。

牧師の前で誓いの言葉を交わした。

ベールを挙げて誓いの口づけが終わると、讃美歌が歌われた。

荘厳な教会の中に響き渡る歌声に参列者は全員胸を震わせた。

由里は涙をこらえるのに必死だった。

今日は泣かないと決めていたのだ。

朝ペントハウスを出てくる前に、母と二人で撮った写真に向かって母に”行ってくるね。今日は泣かないで最後までしっかりと花嫁を務めてくる”と約束したのだ。
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