真夜中の償い

グランパとグランマ

リアムはうきうきと嬉しそうだし…久しぶりにまとまった休みを取ってロングアイランドの家でリアムもゆっくりできるのは、忙しいリアムにとってもいい骨休みになるだろう。

由里は心配を掛けたリアムに甘えることにした。

次の日退院の手続きを終えると由里のアパートによって必要なものを最低限トランクに詰めて、昼前にはロングアイランドの家に着いた。

途中でテイクアウトのサンドウイッチか何かを買っていこうと言った由里に大丈夫というリアム。

何か用意してもらっているのだろうと気楽に考えていた由里は、家に入って見知らぬ老夫婦がいるのを見てびっくりした。

老婦人は

「まあまあ、あなたが由里ね。身体はどう?まだ痛むわよね。ごめんなさいね。孫の過去のふしだらのせいであなたがこんな目に合うなんて何と言ってお詫びしたらいいかわからないわ」

と申し訳なさそうに由里の手を取った。

白髪の優しそうな目をした老婦人は由里をソファーに座らせてくれた。

「グランマ過去のふしだらって何?ひどいよ。当たらずも遠からずだけど…」

と尻つぼみになるリアム。

大柄でがっしりとした体躯の老人はリアムのおじい様だろう。

若い時はきっと凄みのある美丈夫だったのだろうと思わせる整った顔をしている。

深い皺が彼の人生を語っているようだ。

リアムはグランパの男らしい気質とグランマの優しい心を引き継いでいるようだ。

グランパはリアムの頭をポンポンと叩いて

「お前がちゃんと彼女を守らないといけないのに、何をやってたんだ。仕事ばっかりにかまけてこんなかわいいお嬢さんをほっておいたんじゃないだろうな」

と低い声でリアムに問いかける。リアムは

「それについては弁解の余地はないよ。今からしっかり甘やかすつもりだ」

と恥ずかしげもなく言う。

そして由里に二人のことを紹介してくれた。由里も

「初めまして由里です」

と簡単に挨拶した。

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