真夜中の償い
もう離さない
「ついに見つかっちゃったんだ。すごい執念だね。さすがリアムだ。かなわないな。今日は帰るよ。個室を予約してあるからゆっくり二人で話すんだよ」
そういって笹森は帰っていった。
その背中はなぜだか寂しげだ。
リアムは射殺しそうな目をして笹森の背中をみつめている。
「なんだ、あいつユウ兄のところの笹森さんじゃないか?今日の夕食の相手は彼だったのか?」
由里は頷いてとりあえず、リアムをレストランに連れて行った。
笹森はコースを頼んであったようで、席に着くと飲み物のみ聞かれた。
お酒は飲む気になれずほんとは食欲もないが、個室なので話はできる。
リアムはまず由里に謝った。
リリアのことやミスターゴバートの事そして仕組まれたゴシップ紙の事、あの時すぐに由里を追いかけなかった事、全ての原因がそこにあるのは解っている。
だから死ぬほど後悔して何も食べられず夜も寝られず1週間後に倒れて入院した事、そしてケンに叱られて目が覚めて直ぐに裕司に連絡した。
でも裕司には、もし由里に会ってもリアムのところに帰れとも連絡しろとも言わないと、言われたと話した。
ミッシェルや真理子も必要以上の話はリアムとはしてくれないので、間にケンに入ってもらわなければならなかった事、とにかくリアムの味方はケンだけだった。
リリアの仕事の面倒を見てくれていたマットも振り回されてお冠だったようだ。由里は
「そうね。あの時リアムがすぐに追いかけてくれず。ペントハウスに一人帰ったときに私はあなたにとってお荷物以外の何物でもないと思い知ったの。ミスターゴバートが言っていた事はすべて正しかった。そう思ってすぐにあなたの前からいなくならなければと思ったの」
「ほんとにごめん。謝っても許されないよね。由里はニューヨークの自分の会社まで捨ててしまって、由里の努力と信頼の証だったのに、何を言っても許してもらえないかもしれないけれど僕は由里を手放せない。どうしても手放せないんだ。どうか許してほしい」
リアムは目を潤ませて頭を下げた。
あのリアムが人に頭を下げているなんて、ケンが知ったらびっくりするだろう。
なんて思いながら
「リアム、ナタリアの時にも思ったけれど私ではリアムの隣に立つには荷が重いわ。きっとまたこんなことが起きて、その時はもっと傷つくわ。これ以上はもう無理なの。勉強はだれにも負けないくらい頑張ったし仕事でも与えられた仕事以上の成果を出す自信もあるわ。でも私のバックグランドは0なのよ。何もないの。リアムに似合う人じゃないわ。ミスターゴバートは、それを言ってらしたの。君の優秀さは認める。だけどリアムの立場でいざというとき君にはリアムを支えるだけのものが何もないだろうって、その通りだと思ったの。それにリリアさんはとっても素敵なお嬢さんみたいだし、リアムも心を許しているようにも見えたわ。だから私は消えるべきだと思ったの。リリアさんともう一度やり直して」
「なぜだ。なぜわかってくれない。僕が支えてほしいのは銀行の融資がすぐに出るようなバックグランドを持っている事じゃない。銀行ならそこら中にあるしRKOに融資したいと思ってもらえる仕事をすればいいんだ。僕は笑顔に癒されておいしいお料理を作ってくれて家に帰ればホッとできる、そんな場所を作ってくれる人がいいんだ。その為に僕のそばにいてほしい人は由里なんだよ。由里は僕との暮らしがいやだったの?辛かったの?いつも由里に関しては強引だったから嫌われたかもね?それでも僕は由里と離れる気はないよ。嫌われたならまた好きにさせてみせるよ」
そういって笹森は帰っていった。
その背中はなぜだか寂しげだ。
リアムは射殺しそうな目をして笹森の背中をみつめている。
「なんだ、あいつユウ兄のところの笹森さんじゃないか?今日の夕食の相手は彼だったのか?」
由里は頷いてとりあえず、リアムをレストランに連れて行った。
笹森はコースを頼んであったようで、席に着くと飲み物のみ聞かれた。
お酒は飲む気になれずほんとは食欲もないが、個室なので話はできる。
リアムはまず由里に謝った。
リリアのことやミスターゴバートの事そして仕組まれたゴシップ紙の事、あの時すぐに由里を追いかけなかった事、全ての原因がそこにあるのは解っている。
だから死ぬほど後悔して何も食べられず夜も寝られず1週間後に倒れて入院した事、そしてケンに叱られて目が覚めて直ぐに裕司に連絡した。
でも裕司には、もし由里に会ってもリアムのところに帰れとも連絡しろとも言わないと、言われたと話した。
ミッシェルや真理子も必要以上の話はリアムとはしてくれないので、間にケンに入ってもらわなければならなかった事、とにかくリアムの味方はケンだけだった。
リリアの仕事の面倒を見てくれていたマットも振り回されてお冠だったようだ。由里は
「そうね。あの時リアムがすぐに追いかけてくれず。ペントハウスに一人帰ったときに私はあなたにとってお荷物以外の何物でもないと思い知ったの。ミスターゴバートが言っていた事はすべて正しかった。そう思ってすぐにあなたの前からいなくならなければと思ったの」
「ほんとにごめん。謝っても許されないよね。由里はニューヨークの自分の会社まで捨ててしまって、由里の努力と信頼の証だったのに、何を言っても許してもらえないかもしれないけれど僕は由里を手放せない。どうしても手放せないんだ。どうか許してほしい」
リアムは目を潤ませて頭を下げた。
あのリアムが人に頭を下げているなんて、ケンが知ったらびっくりするだろう。
なんて思いながら
「リアム、ナタリアの時にも思ったけれど私ではリアムの隣に立つには荷が重いわ。きっとまたこんなことが起きて、その時はもっと傷つくわ。これ以上はもう無理なの。勉強はだれにも負けないくらい頑張ったし仕事でも与えられた仕事以上の成果を出す自信もあるわ。でも私のバックグランドは0なのよ。何もないの。リアムに似合う人じゃないわ。ミスターゴバートは、それを言ってらしたの。君の優秀さは認める。だけどリアムの立場でいざというとき君にはリアムを支えるだけのものが何もないだろうって、その通りだと思ったの。それにリリアさんはとっても素敵なお嬢さんみたいだし、リアムも心を許しているようにも見えたわ。だから私は消えるべきだと思ったの。リリアさんともう一度やり直して」
「なぜだ。なぜわかってくれない。僕が支えてほしいのは銀行の融資がすぐに出るようなバックグランドを持っている事じゃない。銀行ならそこら中にあるしRKOに融資したいと思ってもらえる仕事をすればいいんだ。僕は笑顔に癒されておいしいお料理を作ってくれて家に帰ればホッとできる、そんな場所を作ってくれる人がいいんだ。その為に僕のそばにいてほしい人は由里なんだよ。由里は僕との暮らしがいやだったの?辛かったの?いつも由里に関しては強引だったから嫌われたかもね?それでも僕は由里と離れる気はないよ。嫌われたならまた好きにさせてみせるよ」