不完全な私を愛してくれたのは、年上の彼でした
第3話
月曜日の朝。私はいつもより1時間早く目が覚めた。外はまだ薄暗い。
今日、パティスリー・ルミエールに行く。
店主の武男さんに会う。そして、「人の心」の答えを見つけたい。
緊張と期待が、胸の中で渦巻いていた。
◇
オフィスに着くと、篠塚さんからメールが届いていた。
『本日、午後2時に店でお待ちしております』
住所と地図が添付されている。桜新町駅から徒歩7分。
私は簡潔に返信を書いた。
『午後2時に伺います。よろしくお願いいたします』
送信ボタンを押す。鼓動が、早まっていた。
◇
午後1時30分。私はオフィスを出た。
桜新町駅で降りて、地図を見ながら住宅街の細い路地を歩く。
「本当に、こんなところに?」
角を曲がった瞬間、店が見えた。
小さいけれど、温もりを感じる佇まいのお店。
古い木造の建物。手書きの看板。
『パティスリー・ルミエール』
ここが、篠塚さんのお店……!