不完全な私を愛してくれたのは、年上の彼でした

第3話



月曜日の朝。私はいつもより1時間早く目が覚めた。外はまだ薄暗い。

今日、パティスリー・ルミエールに行く。

店主の武男(たけお)さんに会う。そして、「人の心」の答えを見つけたい。

緊張と期待が、胸の中で渦巻いていた。



オフィスに着くと、篠塚さんからメールが届いていた。

『本日、午後2時に店でお待ちしております』

住所と地図が添付されている。桜新町駅から徒歩7分。

私は簡潔に返信を書いた。

『午後2時に伺います。よろしくお願いいたします』

送信ボタンを押す。鼓動が、早まっていた。



午後1時30分。私はオフィスを出た。

桜新町駅で降りて、地図を見ながら住宅街の細い路地を歩く。

「本当に、こんなところに?」

角を曲がった瞬間、店が見えた。

小さいけれど、温もりを感じる佇まいのお店。

古い木造の建物。手書きの看板。

『パティスリー・ルミエール』

ここが、篠塚さんのお店……!

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