不完全な私を愛してくれたのは、年上の彼でした
第5話
朝。オフィスに着くと、異様な空気が漂っていた。
「希ちゃん、大変!」
沙紀が、慌てて駆け寄ってきた。
「どうしたの?」
「武男さんが、倒れたって!」
血の気が引いた。
「え……!?」
「今朝、篠塚さんから緊急の連絡があったの。武男さんが過労で体調を崩して、入院することになったって」
「そんな……」
私は、デスクに駆け寄った。
メールを開くと、篠塚さんからの緊急の連絡が届いていた。
『藤崎様
祖父が体調を崩し、入院することになりました。
医師からは、ストレスと疲労による一時的なものと言われていますが、しばらく安静が必要です。
サイトのコンテンツ作成に、祖父の協力が不可欠なため、プロジェクトの一時中止も検討しなければならないかもしれません。
大変申し訳ありません。
篠塚悠大』
「そんな……」
手が小刻みに震えた。
武男さんが倒れた。プロジェクトも中止になるかもしれない。
その時、私のスマホが鳴った。
篠塚さんからだ。