悪女な私は身を引きますので、どうぞお幸せに
エピローグ
エピローグ
三か月後。
始業の十分前に席についた志桜は、いつもと同じようにPCを開けて受信BOXのメールをチェックしていく。差出人一覧のなかに鷹井楓の名を見つけて、思わず口元を緩ませる。開いてみると、中身はますます志桜を喜ばせるものだった。
【Kマシェリ専用AIの試作品が完成した。今夜にでも見に来ないか?】
顧客の要望に沿って、AIがジュエリーをデザインする。志桜の渾身の企画が、ついに形になったのだ。仕事が終わったらすぐに駆けつけると、即返信した。
「なにかいい知らせでも届いたんですか?」
隣の蘭がこちらの顔をのぞくようにして尋ねてきた。
「うん、とびきり素敵なニュースだった」
志桜は楓からもらったメールの内容を彼女に告げ、「あ。よかったら、結城さんも一緒にどうかな?」と誘う。志桜の下についている彼女も、この企画の担当者のひとりだから。
「あ~、遠慮しておきます。残業はめちゃくちゃヤバいときだけって決めてるので!」
三か月後。
始業の十分前に席についた志桜は、いつもと同じようにPCを開けて受信BOXのメールをチェックしていく。差出人一覧のなかに鷹井楓の名を見つけて、思わず口元を緩ませる。開いてみると、中身はますます志桜を喜ばせるものだった。
【Kマシェリ専用AIの試作品が完成した。今夜にでも見に来ないか?】
顧客の要望に沿って、AIがジュエリーをデザインする。志桜の渾身の企画が、ついに形になったのだ。仕事が終わったらすぐに駆けつけると、即返信した。
「なにかいい知らせでも届いたんですか?」
隣の蘭がこちらの顔をのぞくようにして尋ねてきた。
「うん、とびきり素敵なニュースだった」
志桜は楓からもらったメールの内容を彼女に告げ、「あ。よかったら、結城さんも一緒にどうかな?」と誘う。志桜の下についている彼女も、この企画の担当者のひとりだから。
「あ~、遠慮しておきます。残業はめちゃくちゃヤバいときだけって決めてるので!」