蒼穹の覇者は、激愛で契約妻と秘密の我が子を逃がさない
7章・桜の下で
翌日の土曜日。梢に強制的に休みを取らされた玲奈は、双子を連れて家の近くを散歩していた。
昨日散々迷惑をかけた上に、週末に休みをもらうのは申し訳ないのだけれど、また倒れられるほうが大変といわれると、強くでられない。
そのうえ梢に保育園通いを始めたばかりのチビたちと一緒にいてあげなさいと言われると、反論できず、結局は休ませてもらうことにした。
休みといっても、幼い子供を連れて遠出をするのも大変なので、いつもより手の込んだ朝食を三人でゆっくりと食べて、食事の後は散歩をして過ごすことにした。
お昼はふたりが大好きなオムライスにするつもりだ。
「りお、こえ」
「ゆうちぇちゅごい」
バウムクローネから少し歩くと、車道と遊歩道が花壇で遮られた道に出る。
所々桜も植えられていて、この時期は、盛りを過ぎた桜が時折ふわりと花びらを散らせていている。
そこまでベビーカーで連れてこられた双子は、道に下ろされると、てとてと歩いては、舞い散る桜の花びらを拾って見せ合う。
どんな審査基準があるのかは不明だけど、桜のはなびらを拾ってはお互いに見せ合って評価している。といっても二歳児の語彙力なので、判定は『ちゅごい』と『だめ』しかない。
しかもそのほとんどに『ちゅごい(すごい)』の評価が下されている。
ベビーカーを押しながら微笑ましい双子のやり取りを見守っていると、すれ違ったタクシーが急ブレーキを踏んだ。
信号も交差点もない場所でのブレーキ音に驚いて振り替えると、離れた場所でハザードランプを点滅させるタクシーから人が降りてくるのが見えた。
その人の姿に、玲奈は息を呑む。
(悠眞さん……どうして?)
タクシーを下り、こちらへと駆けてくるのは悠眞だ。
まだかなり距離はあるが、それでも自分が彼を見間違うはずがない。
どんな偶然が作用すれば、三年も会わずにいた彼と、こんな短期間に二度も遭遇するのかわからない。
(とにかく今は、逃げなくちゃ)
先日、妻とおぼしき女性と悠眞が一緒にいるのを見た時に感じた胸の痛みを思い出して、玲奈は条件反射のようにそう思った。
とはいっても、双子を連れている今日は、あの時のように走り去ることはできない。
「鈴桜、優聖、もう行こう」
とにかくまずは、双子をベビーカーに乗せよう手を伸ばすと、ふたりは「「え〜」」と抗議の声を上げるだけだ。
「やぁ」
「まだあゆく」
口々に抗議すると、左右に広がって走り出す。
こういう時、お互いの距離を取って逃げるのは、双子の知恵だ。
「鈴桜、優聖、待って」
走るといっても二歳児の足なので、簡単につかまえることができる。
まずはすばしっこい鈴桜の方からと、玲奈は鈴桜を追いかけて後ろから抱きあげた。
鬼ごっこだと思っているのか、玲奈に抱きあげられた鈴桜はキャッキャと笑い声をあげている。
次は優聖。と、体の向きを変えると、玲奈の背後に人が立っていた。
「ゆ、悠眞さん」
「玲奈」
鈴桜を抱き上げる腕に力を込める玲奈の姿に、悠眞の瞳が揺れる。
彼の中でたくさんの感情が渦巻いて、すぐには言葉が出てこないのだろう。それは玲奈も同じだ。
子供たちを連れて、早くこの場を立ち去らなくちゃいけないと思っているのに、すぐには身動きを取ることができない。
そうしているうちに、悠眞が玲奈の肩を掴んだ。
「……玲奈、その子はっ」
荒ぶる感情をどうにか宥めて悠眞が口を開いた時、彼にぶつかるものがあった。
優聖だ。
さっき鈴桜と別方向に逃げた優聖が、引き返してきて、悠眞の足に突進してきたのだ。
「きらぃっ。いじめた、ダメ」
悠眞に突進した優聖は、そのまま小さな拳で何度も彼を叩く。
「優聖っ」
鈴桜を地面に下ろした玲奈は、慌てて優聖を脇に手を入れて引き寄せた。
だけどそれでも優聖の攻撃は止まらない。
届かない手足を振り回して、涙目で「きらぃっ」「いじめた、ダメ」を繰り返す。
事情がよくわからないながらに、悠眞が玲奈を困らせていると判断したらしい。
感受性豊かな優聖は、幼いなりにここしばらく玲奈の様子がおかしいのを感じ取って、心配してくれていた。
悠眞に向かって敵意をむき出しにする優聖は、小さな体全部を使って玲奈を守と訴えている。
「ゆうちぇ、いじめた」
そんな優聖の姿に、玲奈にしがみつく鈴桜が声をあげて泣く。すると共鳴したように、優聖もぼろぼろ涙を流して泣きだす。
「優聖、ありがとう。鈴桜も、びっくりさせてごめんね。大丈夫だから」
玲奈はそう言って双子を抱きしめた。
「玲奈……」
母親にしがみついて泣く双子の姿に、悠眞が戸惑いの声を漏らすが、その先の言葉が続かないようだ。
「子供たちが怯えてしまうから、帰ってください」
自分でもズルい言い方だという自覚はある。
だけど今さら彼と話し合うようなことはないし、今は双子を落ち着かせてあげることを優先したい。
「……」
悠眞はまだなにか言おうとしていたが、双子の鳴き声がそれをかき消す。
それで諦めがついたのだろう。
悠眞は項垂れて、前髪をぐしゃぐしゃと掻いて言う。
「また来る」
「この子たちも怖がるから、もう来ないでください。私の人生にあなたは不要ですし、悠眞さんの今のご家族も不快な思いをされるでしょうから」
玲奈の言葉に悠眞はグッと拳を握りしめる。
全身に苦悩を滲ませる姿に胸が痛くなるけど、彼の奥さんのためにももう関わり合いになるべきではない。
立ち去り際、悠眞が言う。
「誤解をしているようだが、俺は今も独身だ」
「えっ」
思わず見上げた彼の後ろで花びらが舞うのが見えた。
それを見てふと、はじめて彼と出会ったのも桜が咲く季節だったことを思い出す。
「俺の思いは、あの日からなにも変わっていない、今日はひとまずそれだけ伝えさせてくれ」
事情を飲み込めず泣きじゃくる子供たちに配慮して、言葉を選んでくれたのだろう。
悠眞が、それ以上の想いを口にすることはなかった。
だけど自分に向けられる彼の眼差しに、玲奈は時間が遡るような錯覚を覚えた。
四年前、桜の花びらを降らせた彼に契約結婚を持ちかけられた時は、玲奈の人生にこれほど人を愛する日が来るなんて、思ってもいなかった。
そしてその後、愛しているからこその別れが訪れることも知らなかった。
「……っ」
喉元まで、熱い衝動がこみ上げてくる。
私もです――そう答えることができたら、どれだけ楽だろう。
だけどもし本当に彼が、以前と変わらない想いを玲奈に注いでくれているのだとしても、玲奈の両親があんな人たちである限り、ふたりの未来は変わらない。
悠眞がたぐいまれなる手腕で鷹翔グループの経営難を乗り越え、〝蒼穹の覇者〟と呼ばれるまでの存在になったのだから、なおのことだ。
「迷惑です」
視線を落として、玲奈はポツリと噓をつく。
その言葉に彼の返事はなかった。
玲奈が顔を上げることなく、泣きじゃくる子供たちを宥めていると、「そうか」という呟きを残して、足音が去って行く。
少し間を置いて顔を上げると、悠眞が、待たせていたタクシーに乗り込み走り去るのが見えた。
それを見送る玲奈の胸には、ではあの日、自分が見たものはなんだったのかという疑問が湧くが、それを追究しても意味はない。
真実を知ったところで、ふたりがこの先の人生を共にすることなんてないのだから。
(そんなことより……)
「ごめんね。ビックリしたよね。でもあの人は、悪い人じゃないのよ」
気持ちを切り替え、玲奈は、泣きじゃくる双子を落ち着かせることに意識をかたむける。
「ほんと?」
鼻をぐずぐずさせながら、優聖が聞く。
「うん。本当だよ。あの人は、すごく優しくて、困っている人を助けずにはいられないスーパーヒーローみたいな人なの」
初めて出会った日、壊れかけていた玲奈の心を救ってくれた時から、悠眞は玲奈にとってのスーパーヒーローだ。
「ちゅぅぱーヒーロー?」
大泣きしていたことを忘れたかのように、優聖の影響で戦隊ものが好きな鈴桜が目を輝かせるが、警戒心の強い優聖は首を横に振る。
「ヒーローちがう」
優聖は泣きはらした目で玲奈を見上げて、「いじめたした」と言う。
さっきのことが、よほどショックだったらしい。
「そんなことないよ。すごくいい人なの」
ふたりの頭を撫でながら玲奈は言う。
さすがに彼がふたりの父親だと明かすわけにはいかないけど、ふたりの記憶に残る悠眞を悪者にはしたくない。
それでも優聖はイヤイヤと首を横に振る。
「ヒーロー、いちゃた」
悠眞がスーパーヒーローだと聞かされて、鈴桜は残念そうだ。
「最高のスーパーヒーローだから、彼を必要としている人が世界中にいるの。鈴桜と優聖のことは、お母さんが必ず守るから、スーパーヒーローがいなくても大丈夫でしょ?」
「「うん」」
双子が声を揃えて返事をする。
(悠眞さんの分も頑張るから、本当のことを話さない私を許して)
悠眞と双子、それぞれに心の中で謝った。
昨日散々迷惑をかけた上に、週末に休みをもらうのは申し訳ないのだけれど、また倒れられるほうが大変といわれると、強くでられない。
そのうえ梢に保育園通いを始めたばかりのチビたちと一緒にいてあげなさいと言われると、反論できず、結局は休ませてもらうことにした。
休みといっても、幼い子供を連れて遠出をするのも大変なので、いつもより手の込んだ朝食を三人でゆっくりと食べて、食事の後は散歩をして過ごすことにした。
お昼はふたりが大好きなオムライスにするつもりだ。
「りお、こえ」
「ゆうちぇちゅごい」
バウムクローネから少し歩くと、車道と遊歩道が花壇で遮られた道に出る。
所々桜も植えられていて、この時期は、盛りを過ぎた桜が時折ふわりと花びらを散らせていている。
そこまでベビーカーで連れてこられた双子は、道に下ろされると、てとてと歩いては、舞い散る桜の花びらを拾って見せ合う。
どんな審査基準があるのかは不明だけど、桜のはなびらを拾ってはお互いに見せ合って評価している。といっても二歳児の語彙力なので、判定は『ちゅごい』と『だめ』しかない。
しかもそのほとんどに『ちゅごい(すごい)』の評価が下されている。
ベビーカーを押しながら微笑ましい双子のやり取りを見守っていると、すれ違ったタクシーが急ブレーキを踏んだ。
信号も交差点もない場所でのブレーキ音に驚いて振り替えると、離れた場所でハザードランプを点滅させるタクシーから人が降りてくるのが見えた。
その人の姿に、玲奈は息を呑む。
(悠眞さん……どうして?)
タクシーを下り、こちらへと駆けてくるのは悠眞だ。
まだかなり距離はあるが、それでも自分が彼を見間違うはずがない。
どんな偶然が作用すれば、三年も会わずにいた彼と、こんな短期間に二度も遭遇するのかわからない。
(とにかく今は、逃げなくちゃ)
先日、妻とおぼしき女性と悠眞が一緒にいるのを見た時に感じた胸の痛みを思い出して、玲奈は条件反射のようにそう思った。
とはいっても、双子を連れている今日は、あの時のように走り去ることはできない。
「鈴桜、優聖、もう行こう」
とにかくまずは、双子をベビーカーに乗せよう手を伸ばすと、ふたりは「「え〜」」と抗議の声を上げるだけだ。
「やぁ」
「まだあゆく」
口々に抗議すると、左右に広がって走り出す。
こういう時、お互いの距離を取って逃げるのは、双子の知恵だ。
「鈴桜、優聖、待って」
走るといっても二歳児の足なので、簡単につかまえることができる。
まずはすばしっこい鈴桜の方からと、玲奈は鈴桜を追いかけて後ろから抱きあげた。
鬼ごっこだと思っているのか、玲奈に抱きあげられた鈴桜はキャッキャと笑い声をあげている。
次は優聖。と、体の向きを変えると、玲奈の背後に人が立っていた。
「ゆ、悠眞さん」
「玲奈」
鈴桜を抱き上げる腕に力を込める玲奈の姿に、悠眞の瞳が揺れる。
彼の中でたくさんの感情が渦巻いて、すぐには言葉が出てこないのだろう。それは玲奈も同じだ。
子供たちを連れて、早くこの場を立ち去らなくちゃいけないと思っているのに、すぐには身動きを取ることができない。
そうしているうちに、悠眞が玲奈の肩を掴んだ。
「……玲奈、その子はっ」
荒ぶる感情をどうにか宥めて悠眞が口を開いた時、彼にぶつかるものがあった。
優聖だ。
さっき鈴桜と別方向に逃げた優聖が、引き返してきて、悠眞の足に突進してきたのだ。
「きらぃっ。いじめた、ダメ」
悠眞に突進した優聖は、そのまま小さな拳で何度も彼を叩く。
「優聖っ」
鈴桜を地面に下ろした玲奈は、慌てて優聖を脇に手を入れて引き寄せた。
だけどそれでも優聖の攻撃は止まらない。
届かない手足を振り回して、涙目で「きらぃっ」「いじめた、ダメ」を繰り返す。
事情がよくわからないながらに、悠眞が玲奈を困らせていると判断したらしい。
感受性豊かな優聖は、幼いなりにここしばらく玲奈の様子がおかしいのを感じ取って、心配してくれていた。
悠眞に向かって敵意をむき出しにする優聖は、小さな体全部を使って玲奈を守と訴えている。
「ゆうちぇ、いじめた」
そんな優聖の姿に、玲奈にしがみつく鈴桜が声をあげて泣く。すると共鳴したように、優聖もぼろぼろ涙を流して泣きだす。
「優聖、ありがとう。鈴桜も、びっくりさせてごめんね。大丈夫だから」
玲奈はそう言って双子を抱きしめた。
「玲奈……」
母親にしがみついて泣く双子の姿に、悠眞が戸惑いの声を漏らすが、その先の言葉が続かないようだ。
「子供たちが怯えてしまうから、帰ってください」
自分でもズルい言い方だという自覚はある。
だけど今さら彼と話し合うようなことはないし、今は双子を落ち着かせてあげることを優先したい。
「……」
悠眞はまだなにか言おうとしていたが、双子の鳴き声がそれをかき消す。
それで諦めがついたのだろう。
悠眞は項垂れて、前髪をぐしゃぐしゃと掻いて言う。
「また来る」
「この子たちも怖がるから、もう来ないでください。私の人生にあなたは不要ですし、悠眞さんの今のご家族も不快な思いをされるでしょうから」
玲奈の言葉に悠眞はグッと拳を握りしめる。
全身に苦悩を滲ませる姿に胸が痛くなるけど、彼の奥さんのためにももう関わり合いになるべきではない。
立ち去り際、悠眞が言う。
「誤解をしているようだが、俺は今も独身だ」
「えっ」
思わず見上げた彼の後ろで花びらが舞うのが見えた。
それを見てふと、はじめて彼と出会ったのも桜が咲く季節だったことを思い出す。
「俺の思いは、あの日からなにも変わっていない、今日はひとまずそれだけ伝えさせてくれ」
事情を飲み込めず泣きじゃくる子供たちに配慮して、言葉を選んでくれたのだろう。
悠眞が、それ以上の想いを口にすることはなかった。
だけど自分に向けられる彼の眼差しに、玲奈は時間が遡るような錯覚を覚えた。
四年前、桜の花びらを降らせた彼に契約結婚を持ちかけられた時は、玲奈の人生にこれほど人を愛する日が来るなんて、思ってもいなかった。
そしてその後、愛しているからこその別れが訪れることも知らなかった。
「……っ」
喉元まで、熱い衝動がこみ上げてくる。
私もです――そう答えることができたら、どれだけ楽だろう。
だけどもし本当に彼が、以前と変わらない想いを玲奈に注いでくれているのだとしても、玲奈の両親があんな人たちである限り、ふたりの未来は変わらない。
悠眞がたぐいまれなる手腕で鷹翔グループの経営難を乗り越え、〝蒼穹の覇者〟と呼ばれるまでの存在になったのだから、なおのことだ。
「迷惑です」
視線を落として、玲奈はポツリと噓をつく。
その言葉に彼の返事はなかった。
玲奈が顔を上げることなく、泣きじゃくる子供たちを宥めていると、「そうか」という呟きを残して、足音が去って行く。
少し間を置いて顔を上げると、悠眞が、待たせていたタクシーに乗り込み走り去るのが見えた。
それを見送る玲奈の胸には、ではあの日、自分が見たものはなんだったのかという疑問が湧くが、それを追究しても意味はない。
真実を知ったところで、ふたりがこの先の人生を共にすることなんてないのだから。
(そんなことより……)
「ごめんね。ビックリしたよね。でもあの人は、悪い人じゃないのよ」
気持ちを切り替え、玲奈は、泣きじゃくる双子を落ち着かせることに意識をかたむける。
「ほんと?」
鼻をぐずぐずさせながら、優聖が聞く。
「うん。本当だよ。あの人は、すごく優しくて、困っている人を助けずにはいられないスーパーヒーローみたいな人なの」
初めて出会った日、壊れかけていた玲奈の心を救ってくれた時から、悠眞は玲奈にとってのスーパーヒーローだ。
「ちゅぅぱーヒーロー?」
大泣きしていたことを忘れたかのように、優聖の影響で戦隊ものが好きな鈴桜が目を輝かせるが、警戒心の強い優聖は首を横に振る。
「ヒーローちがう」
優聖は泣きはらした目で玲奈を見上げて、「いじめたした」と言う。
さっきのことが、よほどショックだったらしい。
「そんなことないよ。すごくいい人なの」
ふたりの頭を撫でながら玲奈は言う。
さすがに彼がふたりの父親だと明かすわけにはいかないけど、ふたりの記憶に残る悠眞を悪者にはしたくない。
それでも優聖はイヤイヤと首を横に振る。
「ヒーロー、いちゃた」
悠眞がスーパーヒーローだと聞かされて、鈴桜は残念そうだ。
「最高のスーパーヒーローだから、彼を必要としている人が世界中にいるの。鈴桜と優聖のことは、お母さんが必ず守るから、スーパーヒーローがいなくても大丈夫でしょ?」
「「うん」」
双子が声を揃えて返事をする。
(悠眞さんの分も頑張るから、本当のことを話さない私を許して)
悠眞と双子、それぞれに心の中で謝った。