転生して捨てられたボク、最恐お義兄さまに拾われる~無能と虐げられたけど辺境で才能開花⁉~
エピローグ
それから二週間後。
ドレイクとヒルマイナは重罰を課されることになった。
刑罰は領地と資産の没収、ならびに生涯国内への侵入を禁ずる永久追放。
罪状はブランチの森への放火罪。
その証拠となったのが、くだんの魔道具の残骸である。
魔道具は動力源が魔力となっている。
そのため起動するには魔力が必要不可欠で、その残骸には使用者の魔力が残されているのが道理だ。
そして火事の焼け跡から発見された魔道具の残骸には、犯人と思しき人物の魔力がほんのわずかにだが残されていた。
ドレイク・ダスターの魔力が。
「だれがまりょくをいれたか、まどーぐからわかるんでしゅね」
「魔力は一見すると色と量の違いしかないように見えるが、専門家いわくそれ以外にも多くの差異があるという。それこそ個人を特定するに充分な情報が、魔力の残(ざん)滓(し)からでも得られるそうだ」
本来であれば魔道具の残骸に残された微弱な魔力など、なんの情報にもなり得ない。
しかし魔力の専門家である、世界でも数少ない魔法医にかかれば、それだけの魔力からでも多くの情報を見て取ることができるらしい。
その規格外の存在をドレイクたちは知らなかったようで、よもや魔道具の残骸が証拠になるとは考えなかったそうだ。
そもそもあれが魔道具の残骸だと見抜ける人もほとんどいないだろうし、そこから自分の魔力を検知されて犯罪の証拠として認められるとは思いもよらなかっただろう。
「息子の魔力を嘲笑った者が、自分の魔力で首を絞めることになったとはな。なんとも皮肉なものだ」