(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
3.「俺を本気で好きになって」
翌日、営業部長をはじめ営業部のメンバーに感謝された。

板谷社長の来訪はとても喜ばしかったそうだ。

さらに短い滞在時間中、本社ビル内の女性たちに強烈な印象を与えたらしい。

耳ざとい親友からは退社後に連絡が来たので、事の次第を伝えてある。

……最近の私はどうもついていない。

午後、フロア内のカーペットの継ぎ目部分に足が引っかかった。

転倒はなんとか免れたが、長年愛用していた、社内用の靴の踵が取れてしまった。

この靴は五センチほどのヒールがあるが長時間履いていても足が疲れないので重宝していた。

とりあえず自宅から履いてきたパンプスを履いたが、やはり足が疲れてしまう。

退社後に修理店に持ち込んだが、私の靴の状態では買い直すほうが安い、と言われた。

そのため、ネットで同じ商品を検索したが見つからない。

どうやら生産中止の靴らしい。

急いでいるし、仕方ないので次の日の退社後、同じメーカーの靴を店舗の営業時間ギリギリになんとか間に合って購入した。

翌朝、社内で早速履いてみたが慣れないせいか、靴擦れをしてしまった。

その日の帰りにヨガ教室で頼子さんに会った。

図々しいのを承知で、頼子さん経由で事情を話しピアスの返却をお願いしたところ、そもそも板谷社長の来社も頼子さんは知らなかったらしく驚いていた。
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