始まりは一夜の出会いから
Episode6
─────1年後
私、森川有咲は28歳になっていた。
「本当に辞めちゃうの!?有咲ちゃん!」
「佐原さん~!そうなんです…、寂しい!」
受付のカウンターでの最後の出勤日、ずっとお世話になった営業の佐原さんが少し泣きそうな表情で話しかけて来てくれていた。ずっとずっと大好きで憧れの尊敬する先輩。
あの日は、急すぎて美月もやめてすぐだったし、やめます!とは言えなかったけれど、一年越しにようやく辞める決心がついた。
辞める決心をして新くんと一緒になる決心も着いたのだけど、問題はここからだった。
─────私、新くんの元に行くこと言ってない。
というのも、相談する気はあったのだけどここに来て、プロポーズの仕返しに急に行くのも良いんじゃない!?なんて、いたずら心が働きすぎた結果、度を越したものになってしまって、明日このまま新幹線に乗って行くのに、まだ言っていない。
今夜はホテルに一泊して荷物は四箱程に抑えたけど勝手に送り付けている。このまま急に行ったら「意味わかんないんだけど」ってキレられる可能性は大いにある。
新くんは優しいからそんな言い方はしないかもしれないけれど、他の人なら絶対に相談くらいしろと怒っている。
ひとまず今日は仕事の最終日を乗り越えて明日、美月にも新くんにも言っていないので1人で新くんの家に向かうミッションがある。
私、森川有咲は28歳になっていた。
「本当に辞めちゃうの!?有咲ちゃん!」
「佐原さん~!そうなんです…、寂しい!」
受付のカウンターでの最後の出勤日、ずっとお世話になった営業の佐原さんが少し泣きそうな表情で話しかけて来てくれていた。ずっとずっと大好きで憧れの尊敬する先輩。
あの日は、急すぎて美月もやめてすぐだったし、やめます!とは言えなかったけれど、一年越しにようやく辞める決心がついた。
辞める決心をして新くんと一緒になる決心も着いたのだけど、問題はここからだった。
─────私、新くんの元に行くこと言ってない。
というのも、相談する気はあったのだけどここに来て、プロポーズの仕返しに急に行くのも良いんじゃない!?なんて、いたずら心が働きすぎた結果、度を越したものになってしまって、明日このまま新幹線に乗って行くのに、まだ言っていない。
今夜はホテルに一泊して荷物は四箱程に抑えたけど勝手に送り付けている。このまま急に行ったら「意味わかんないんだけど」ってキレられる可能性は大いにある。
新くんは優しいからそんな言い方はしないかもしれないけれど、他の人なら絶対に相談くらいしろと怒っている。
ひとまず今日は仕事の最終日を乗り越えて明日、美月にも新くんにも言っていないので1人で新くんの家に向かうミッションがある。