始まりは一夜の出会いから
Episode7
 週末、久し振りに2人で車に乗って地元に帰ってきていた。

 私は少し前までまだ近くに居たからそんなに懐かしさは感じないけれど、新くんに関しては私に会いに来た時以来だから半年ぶりくらいだ。

 そんなに空いていないから言う程の懐かしさは無いかもしれないけど。


「お土産こんなんで良かったんかな」


 手元のお土産に少し目線を向けて、こちらに問いかけてくる。


「お母さんお父さんおばあちゃん揃って甘いの大好きだから大丈夫」


 それよりも長時間車運転しているけど疲れてないのだろうか。運転が好きだからと付き合ったときからいつも運転してくれているけど、私には出来る事があまりない。


「有咲、実家車止めるところある?」

「うん、駐車場空いているから止めていいよって言ってた」


 そう言いながら次右とか言いながら道案内をする。

 車持ってて、良いマンションに住んでてこの人貯金もかなりあるし本当に同い年?

 そう疑ってしまうくらいだけど、確かに金銭感覚はしっかりしている。無駄遣いとか基本的にしないし、趣味もお金のかかる趣味はしない。何にお金使うの?と聞けば交際費ばかりだった。

 私と付き合ってからは家でゆっくりする事も増えて、本当にお金を使わなくなったらしく、遠距離中も会社の飲み会以外の交際費はほとんどなかったらしい。
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