奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
第四章 宮廷魔道具師と魔道具師ギルト長
エリュシアがアスタリア帝国に来てから二年が過ぎた。
その間に二度誕生日を迎え、もう十七歳になっている。
一度目の人生では、皇帝がクラニウス王国に娘を側妃として寄越すようにと通達してきたのだが、今回の人生では、それは行われなかった。時戻りする前との違いは、わからない。
この二年の間、魔道具師『エリア』は着々と名を上げていた。特に有名なのは、女性の肌を美しく見せる魔道具。
わずかに肌が美しく見えるだけでも、女性達は争って飛びついた。
あえて装身具の形にしたのは、毎回同じ装身具を着けるわけにはいかないからという事情もある。
貴族の女性達は、財布の事情が許す限り、トーマスを屋敷に呼びつけた。もちろん、魔道具を提案した『リア』も一緒である。
半年ほど前からは、肌を美しく見せる魔道具の商いに限定して、エリュシアひとりにも任されるようにもなった。
忙しいといえば忙しいが、魔宝石はそもそも貴重なもの。数がそろわないと製作もできず、魔道具師としての活動とも両立できている。
その間に二度誕生日を迎え、もう十七歳になっている。
一度目の人生では、皇帝がクラニウス王国に娘を側妃として寄越すようにと通達してきたのだが、今回の人生では、それは行われなかった。時戻りする前との違いは、わからない。
この二年の間、魔道具師『エリア』は着々と名を上げていた。特に有名なのは、女性の肌を美しく見せる魔道具。
わずかに肌が美しく見えるだけでも、女性達は争って飛びついた。
あえて装身具の形にしたのは、毎回同じ装身具を着けるわけにはいかないからという事情もある。
貴族の女性達は、財布の事情が許す限り、トーマスを屋敷に呼びつけた。もちろん、魔道具を提案した『リア』も一緒である。
半年ほど前からは、肌を美しく見せる魔道具の商いに限定して、エリュシアひとりにも任されるようにもなった。
忙しいといえば忙しいが、魔宝石はそもそも貴重なもの。数がそろわないと製作もできず、魔道具師としての活動とも両立できている。