奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
第三章 新しい身分と、新しい協力体制
ディーデリックとの再会から三日後。彼は改めてエリュシアの元を訪れた。
エリュシアは、ディーデリックを工房の奥にある応接間に案内する。
「まさか、皇太子殿下が、我が商会を訪問してくださるとは……」
ディーデリックの訪問は、トーマスを驚かせることになった。
前回の訪問では、彼はディーデリックの正体に気づかなかったけれど、あのあと改めて『あの方はお忍びでおいでになった皇太子殿下でした』という話をしておいた。
今後、ディーデリックが工房を訪れる機会が増える以上、ある程度の話はしておいた方がいいと思って。
「魔道具師エリアという人物に、興味を持ったんだ」
「ああ、エリアでございますね!」
トーマスはぽんと手を打ち合わせた。トーマスの横に座っているエリュシアは、にこにことしている。何も知らないような顔をして。
今トーマスの認識は、『新進気鋭の魔道具師エリアが、皇太子に気に入られた』ということになっている。当面はそう思わせておきたいところだ。
「こちらがエリアでございます。まだ若いのですが、かなりの腕の持ち主で……」
「どの師匠についたのだ?」
エリュシアは、ディーデリックを工房の奥にある応接間に案内する。
「まさか、皇太子殿下が、我が商会を訪問してくださるとは……」
ディーデリックの訪問は、トーマスを驚かせることになった。
前回の訪問では、彼はディーデリックの正体に気づかなかったけれど、あのあと改めて『あの方はお忍びでおいでになった皇太子殿下でした』という話をしておいた。
今後、ディーデリックが工房を訪れる機会が増える以上、ある程度の話はしておいた方がいいと思って。
「魔道具師エリアという人物に、興味を持ったんだ」
「ああ、エリアでございますね!」
トーマスはぽんと手を打ち合わせた。トーマスの横に座っているエリュシアは、にこにことしている。何も知らないような顔をして。
今トーマスの認識は、『新進気鋭の魔道具師エリアが、皇太子に気に入られた』ということになっている。当面はそう思わせておきたいところだ。
「こちらがエリアでございます。まだ若いのですが、かなりの腕の持ち主で……」
「どの師匠についたのだ?」