恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
第1話 始まってもいない恋に破れても、悲しくなるものなのね
こんな惨めなことってあるかしら。
学園にある静かな図書館で、見てはいけないものを目撃してしまった。
どうして私の婚約者であるオーランド伯爵様のご長男フェリクス様が、級友のダイアナと仲睦まじく抱きしめ合っているの?
いくらここが、あまり人の訪れない図書館だからって、いつ人に見つかるかわからない場所よ。
よりによってどうして、私のお気に入りの棚の前なのよ!
今日は図書館に立ち寄ってから帰ると、フェリクス様に教えていたのよ。ダイアナだって、図書館が私にとって癒しの場所だと知っているはずなのに──どうして二人はここにいるの?
もちろん、私の目の届かないところならいいって話でもないけど……
困惑に息を呑んだ時だった。
二人の唇が重なった。
あまりの衝撃に声が飛び出しそうになり、とっさに手で口を押さえた。
鼓動が早まり、じっとりと汗が滲み出る。
いつから、二人はそういう仲になっていたの。
口に出せない疑問が、ぐるぐると体の中を巡っていくような感覚が襲ってきた。
学園にある静かな図書館で、見てはいけないものを目撃してしまった。
どうして私の婚約者であるオーランド伯爵様のご長男フェリクス様が、級友のダイアナと仲睦まじく抱きしめ合っているの?
いくらここが、あまり人の訪れない図書館だからって、いつ人に見つかるかわからない場所よ。
よりによってどうして、私のお気に入りの棚の前なのよ!
今日は図書館に立ち寄ってから帰ると、フェリクス様に教えていたのよ。ダイアナだって、図書館が私にとって癒しの場所だと知っているはずなのに──どうして二人はここにいるの?
もちろん、私の目の届かないところならいいって話でもないけど……
困惑に息を呑んだ時だった。
二人の唇が重なった。
あまりの衝撃に声が飛び出しそうになり、とっさに手で口を押さえた。
鼓動が早まり、じっとりと汗が滲み出る。
いつから、二人はそういう仲になっていたの。
口に出せない疑問が、ぐるぐると体の中を巡っていくような感覚が襲ってきた。
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