恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
第16話 アデルノアの悲しい過去を知る
アデルノアまでは、どんなに馬を走らせても半日かかる。馬車での移動となると、今から向かったら着くのは夜遅くなるかしら。
時間を気にしながら、アルフレッドに手を引かれて廊下を進んでいた時だった。ふと窓の外を見て違和感を覚えた。
「アルフレッド、玄関は逆よ。裏から出るの?」
「急ぎますので裏から一気に飛びます」
「……飛ぶ?」
意味がわからず首を傾げる。
いつもは丁寧に説明してくれるアルフレッドだけど、今はよほど焦っているのだろう。私の手を握りしめたまま前を真っすぐ見据えている。
「転移魔法で移動します」
「──!? 転移の魔法って、準備が大変って聞いたことがあるわ」
「膨大な魔力を使うという意味では、そうですね」
「魔力を……大丈夫なの?」
ふと、アルフレッドが森で体調を崩した時のことを思い出した。おそらく、彼は私よりもたくさんの魔力を有している。あの時はそれが体内に留まることで発熱を起こしたけど、逆に、枯渇をしてしまっても問題だわ。最悪、命にかかわる。
時間を気にしながら、アルフレッドに手を引かれて廊下を進んでいた時だった。ふと窓の外を見て違和感を覚えた。
「アルフレッド、玄関は逆よ。裏から出るの?」
「急ぎますので裏から一気に飛びます」
「……飛ぶ?」
意味がわからず首を傾げる。
いつもは丁寧に説明してくれるアルフレッドだけど、今はよほど焦っているのだろう。私の手を握りしめたまま前を真っすぐ見据えている。
「転移魔法で移動します」
「──!? 転移の魔法って、準備が大変って聞いたことがあるわ」
「膨大な魔力を使うという意味では、そうですね」
「魔力を……大丈夫なの?」
ふと、アルフレッドが森で体調を崩した時のことを思い出した。おそらく、彼は私よりもたくさんの魔力を有している。あの時はそれが体内に留まることで発熱を起こしたけど、逆に、枯渇をしてしまっても問題だわ。最悪、命にかかわる。