恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
最終話 愛しい人の腕の中で愛を知る
目が覚めたのは、アルフレッドの膝の上だった。
どうやら、まだ塔の中にいるようだ。視線を巡らせると、少し離れたところでフェリクスがぼんやりとしているのが見えた。それに、レスターさんが先遣隊として派遣されただろう騎士たちになにか指示を出している。
ぽたりと頬に雫が落ちてきた。
それを拭おうとしたのか冷えた指先が頬を撫でる。
「なにを泣いているの、アルフレッド?」
そっと訊ねれば、エメラルドの瞳が見開かれた。
ほっと安堵した表情を浮かべたアルフレッドだったけど、その直後、唇を一度噛むと厳しい顔つきになった。
「……どうしてこんな無茶なことをしたんだ」
厳しい言葉に驚きながらも、少しだけ嬉しく思って、つい笑ってしまった。
「わからないわ」
「わからないって……なにを笑っているんだ、リリー。死ぬかと思ったんだぞ!」
「だって、アルフレッドが私に怒っているんだもの」
「当たり前だろう! こんな無茶をして。私がどれほど心配したか、わかっているのか!」
わかっているといっても、これだけ怒っていたら通じないかもしれない。
どうやら、まだ塔の中にいるようだ。視線を巡らせると、少し離れたところでフェリクスがぼんやりとしているのが見えた。それに、レスターさんが先遣隊として派遣されただろう騎士たちになにか指示を出している。
ぽたりと頬に雫が落ちてきた。
それを拭おうとしたのか冷えた指先が頬を撫でる。
「なにを泣いているの、アルフレッド?」
そっと訊ねれば、エメラルドの瞳が見開かれた。
ほっと安堵した表情を浮かべたアルフレッドだったけど、その直後、唇を一度噛むと厳しい顔つきになった。
「……どうしてこんな無茶なことをしたんだ」
厳しい言葉に驚きながらも、少しだけ嬉しく思って、つい笑ってしまった。
「わからないわ」
「わからないって……なにを笑っているんだ、リリー。死ぬかと思ったんだぞ!」
「だって、アルフレッドが私に怒っているんだもの」
「当たり前だろう! こんな無茶をして。私がどれほど心配したか、わかっているのか!」
わかっているといっても、これだけ怒っていたら通じないかもしれない。