恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
第7話 未到遺跡は危険とロマンスで輝く
今、私は空を見ながら落下している。
唸る風の中、両手を広げて冷たい空気を吸い込んだ。
視界の隅に映るのは蔦で覆われた塔──クラレンス辺境伯領で発見された「枯れた遺跡」の一つ。
その最上階から、私は女の人に突き落とされた。
結婚してから一ヶ月。
いつまでたっても未到遺跡の視察に連れていってくれないアルフレッドに「連れ出してくれるっていったじゃない!」と駄々をこね、やっと連れてきてもらったのに。
どうしてこうなったのだろう。
あの女の人は誰だったのか。どうしてあそこにいたのか……
空を眺めてぼんやりしていると、私を呼ぶアルフレッドの声が響いた。
「リリー! 手をこちらに!!」
唸る風の中、両手を広げて冷たい空気を吸い込んだ。
視界の隅に映るのは蔦で覆われた塔──クラレンス辺境伯領で発見された「枯れた遺跡」の一つ。
その最上階から、私は女の人に突き落とされた。
結婚してから一ヶ月。
いつまでたっても未到遺跡の視察に連れていってくれないアルフレッドに「連れ出してくれるっていったじゃない!」と駄々をこね、やっと連れてきてもらったのに。
どうしてこうなったのだろう。
あの女の人は誰だったのか。どうしてあそこにいたのか……
空を眺めてぼんやりしていると、私を呼ぶアルフレッドの声が響いた。
「リリー! 手をこちらに!!」