恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される

第8話 恋を知らなかった侯爵令嬢は辺境地で溺愛される

 お屋敷に戻った私の、ずたぼろになったドレス姿を見たメイドたちは顔面蒼白になった。

「お、奥様……お怪我はないのですか?」
「大丈夫よ。旦那様が守ってくださったもの」

 にこりと微笑むと、メイド長がほっと胸を撫で下ろし、さあお着替えをといわれた。

 アルフレッドを振り替えると「部屋で待っていなさい」といわれた。
 優しく諭すような言葉と微笑みに、胸がむず痒くなる。

 一ヶ月前だったら、きっと「後程お部屋に参ります」っていわれていたわ。
 夫婦になり、まだ清い仲が続いているけど……きっと、私たちの関係は変わり始めている。

 この胸がそわそわするのも、その証なんだと思うわ。
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