運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
残酷な現実
部屋に閉じ込められてから五日、私は優希くんとの連絡を完全に断たれ、スマホも取り上げられた。部屋の前には常に見張りが数人。みちる、そして琴音が雇ったのであろう男たちだ。逃げ出して優希くんのもとへ行くとでも思ったのか――。そこまでしてでも私と彼を引き離そうとする琴音は、もう常軌を逸しているとしか思えなかった。
優希くんに好意を抱いているだけでは説明できない、狂気じみた執念。母と私が何も知らずに過ごしていた時間、麻子さんと琴音がどういう思いで生きてきたのか、私には想像もできない。けれど、父親がいないことで辛い経験をしたのだとしても、こんな仕打ちが許されるわけではない。
それに――父だって。
「入るぞ」
時刻は八時半。スリーピースに身を包んだ父が部屋に入ってきた。出社前なのだろう。
「昨日の件は終わっているだろうな?」
優希くんに好意を抱いているだけでは説明できない、狂気じみた執念。母と私が何も知らずに過ごしていた時間、麻子さんと琴音がどういう思いで生きてきたのか、私には想像もできない。けれど、父親がいないことで辛い経験をしたのだとしても、こんな仕打ちが許されるわけではない。
それに――父だって。
「入るぞ」
時刻は八時半。スリーピースに身を包んだ父が部屋に入ってきた。出社前なのだろう。
「昨日の件は終わっているだろうな?」