運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
止められない思い
 千田さんと話をしたあの日から、優希くんの頼みで、在宅勤務の日にはみやこさんに来てもらい、私も優希くんの仕事を手伝うようになった。優希くんのデスクのそばには私のデスクも用意され、最新のパソコンなども整えられていた。
 
 そして、ミッドセストは「契約をなかったことにしたい」と伝えると手のひら掌を返すように譲歩してきたが、優希くんはその提案を拒否した。
『こんなあっさりと話を覆す会社だったとは……』
 そう苦々しく言葉を漏らしていた。その一方で、コート・ジュポンとの契約を進めていた。ただ、コートジュポンもやり手が揃っている会社だ。そんなに順調にいく保証はない。しかし、オープンまでには、良い方向へ進むと信じたい。
 
 毎日、充実した日々を過ごさせてもらっている私は、今日も朝から食事を作り、結菜と優希くんの前へと置く。
 今日のメニューは結菜のリクエストで、おにぎりと豆腐とわかめのお味噌汁。それに卵焼きとほうれん草のお浸しという、いかにも日本の兆直といったメニューだ。すぐに食べ始めた。
< 234 / 328 >

この作品をシェア

pagetop