運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
エピローグ
 あの日から半年ほどたったよく晴れた日曜日のホテルのメイクルーム。

 私は、そっと鏡越しに澄まして椅子に座っている結菜を見つめた。白いドレスに身を包み、小さなティアラを揺らしている。
ワカバフーズの引き継ぎや事務的な手続きが忙しく、私も優希くんも慌ただしい毎日を過ごしてきた。
 それに、子どももいる今、結婚式をすることは頭になかった。けれど優希くんは、「きちんとした形を残したいから、結婚式をしよう」そう伝えてくれた。
 
 思い出のホテルで式を挙げられるなんて、準備を一緒に進めてくれた、優希くんはもちろん、お母様たちにも感謝しかない。
 そして、あの後、紗英に落ち着いてから連絡をすると、『どうして大変だったって言わなかったの』と、少し怒りながらも、泣いてくれた彼女に、私も思わず泣いてしまった。
 
 私の周りには、愛する人たちがたくさんいて、今こんなにも幸せだ。
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