借金令嬢は異世界でカフェを開きます
第10話 意外な事実
意味が分からずオズワルドを見つめると、彼は少し考えるような仕草の後、眼鏡をはずして微笑んだ。グレースがどぎまぎしながらもどういうことか尋ねると、ソリス家の借金の利息は不当なものだったと言われた。
「君が、ソリス家の令嬢本人であることは知っていました。借金のことも、すみません、調べました」
「え、なぜ」
だが彼はグレースの疑問には答えず、タナーが不法な利子をソリス家の借金につけていたことを数字を見せながらひとつひとつ説明してくれた。
「でも顧問弁護士は」
「彼はタナーの仲間でしたよ。返済をあきらめるよう、あなたを説得していたそうですね。カフェが繁盛するのは想定外だったようだ」
「そんな……」
吐き出すようなオズワルドの苦い声に、グレースは力なく首を振る。
小さなころから知ってる、白髭の優しい風貌を思い出し愕然とした。親身になってくれる人だと信じていた。
「う、うちが、最低限の報酬しか出せなかったから……」
ショックで震えるグレースの手をオズワルドの大きな手が包む。
「関係ありません。これはただの不法行為で、その弁護士もタナーもどちらも罰せられるべきものです。君は騙されていたんですよ」
オズワルドの目に悔しそうな色が滲んだ。
「君が、ソリス家の令嬢本人であることは知っていました。借金のことも、すみません、調べました」
「え、なぜ」
だが彼はグレースの疑問には答えず、タナーが不法な利子をソリス家の借金につけていたことを数字を見せながらひとつひとつ説明してくれた。
「でも顧問弁護士は」
「彼はタナーの仲間でしたよ。返済をあきらめるよう、あなたを説得していたそうですね。カフェが繁盛するのは想定外だったようだ」
「そんな……」
吐き出すようなオズワルドの苦い声に、グレースは力なく首を振る。
小さなころから知ってる、白髭の優しい風貌を思い出し愕然とした。親身になってくれる人だと信じていた。
「う、うちが、最低限の報酬しか出せなかったから……」
ショックで震えるグレースの手をオズワルドの大きな手が包む。
「関係ありません。これはただの不法行為で、その弁護士もタナーもどちらも罰せられるべきものです。君は騙されていたんですよ」
オズワルドの目に悔しそうな色が滲んだ。