タイムスリップできる傘

登場人物

笑い猫
心のなかにある様々な思いを笑いで表現する猫。にっこりと笑みを浮かべたり、おかしそうに、げらげら笑ったり、やるせない顔で笑うことができる。にたにた笑ったり、あざけるような目で笑ったり、渋い顔で笑ったり、作り笑いもできる。しっかりした考えを持っていて、性格によって運命が決まると信じている。人を観察することが好きで、人の話が聞いて分かる。

老いらくさん
どれくらい長く生きてきたか自分でも分からないほど年を取っているネズミ。翠湖公園にいるネズミはすべて老いらくさんの子孫。優れた知恵があり、道理に通じている。ユーモアのセンスにもたけている。ずる賢いところが多いが、よいところも少しだけある。よいネズミでも悪いネズミでもなく、まあまあのネズミといったところ。笑い猫の親友でもあり、相談によく乗ってくれる。

馬小跳
口には出せない複雑な思いを心のなかに秘めている。子どものころ、大きな過ちは犯さなかったが、小さな過ちはしょっちゅう犯した。悪いことをして学校の事務室の前に立たされていたときは、しょんぼりとうなだれていたが、解放されたときは大喜びしていた。誠実で責任感が強く、子どもらしい純粋さと、小動物に対する深い愛情を持っていた。大学では建築学を学び、卒業後は有名な建築デザイナーになって、市がおこなう都市開発計画の中心的な役割を担い、その後、市長に推挙されて、古いものと新しいものを両立させながら、町の発展に尽くしていた。

杜真子
馬小跳のいとこ。猫顔をした神秘的な雰囲気の女の子で、笑い猫のことをこの世で一番、いとおしく思っている。子どものころから料理を作ることが好きで、いろいろな料理を作ることができる。大学で栄養学を学び、卒業後は大学院で研究を続ける傍ら、テレビの料理番組にアシスタントとして出演して、子どもたちに料理の作り方を教えていた。大学院を修了したあとは、大学で児童栄養学の講師をしていた。
安琪儿
馬小跳の小学校のときの同級生。馬小跳と同じアパートに住んでいる。のろまで、いつもぼうっとしていて、学校の成績はよくなかった。けなげで、愛嬌のあるところが取り柄で、馬小跳を慕っていた。刺繍絵を作ることが好きで、友だちによくプレゼントしていた。高校を卒業したあと師範大学に入り、卒業後は小学校の教師をする傍ら、童話作家としても活躍していた。
夏林果
幼いころからバレエを習っていて、ダンスがとても上手だった。スタイルがよくて魅力的な女の子だったから、学芸会ではいつも主役に抜擢されていた。どんな役でも好演して、男の子たちの憧れの的だった。高校を卒業したあと舞踊学院に入り、プロのバレエダンサーとして活躍していた。

路曼曼
馬小跳たちがする悪ふざけにいつも目を光らせていて、見つけ次第、担任の秦先生に告げ口をしていた。高校を卒業したあと、馬小跳と同じ大学の法学部に入り、大学生になってからも馬小跳の私生活に乱れがないか監視をしていた。大学を卒業したあと、弁護士となって法律事務所で働いていた。

丁文涛
子どものころの優等生で、担任の秦先生のお気に入りの生徒だった。高校を卒業したあと一流大学の経済学部に入ったが、人付き合いが苦手で、人望がなかった。大学を卒業したあと銀行に入ったが、業績をあげることができず、その後、うちに引きこもって、うつうつとした生活を余儀なくされていた。

唐飛
子どものころ食べることが好きで、しょっちゅう何かを食べていて、おなかが膨らんでいた。歩く姿は太ったペンギンのように見えて、動作がのろかった。その後、食べることを節制するようになって、見違えるほどスマートになった。高校を卒業したあと、大学の経済学部に進学して、卒業後は、アメリカの大学の大学院に留学して研究を続け、帰国後はハルピンの大学で国際経済学を教えていた。

張達
子どものころ運動神経が抜群で、走るのが特に速かった。話をするのは苦手で、緊張して、よくどもっていた。友だちに勧められて、しぶしぶ合唱団に入団して、楽しく歌っているうちに、どもりが自然となおっていた。高校を卒業したあと、大学の体育学部に進学して、卒業後は、大学院に進学して、その後、広州の大学で運動生理学を教えていた。
毛超
子どものころ、いろいろな情報を集めることが好きで、知りえた内容を友だちにぺらぺらとよく話していた。知識の豊富さには感心させられたが、情報のうちの、十中八九は、どうでもいいことばかりだった。高校を卒業したあと、大学の経済学部に進学して、流通経済学を学び、卒業後は企業に就職してコンピューター会社の課長となって活躍していた。
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