私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~
プロローグ


「愛してる……だけど別れよう」

それは幸せ絶頂の中の私を襲った、残酷な言葉。もう何年も昔のことなのに今日のような満月の日はふと思い出してしまう。
 
私は夜空を見上げたまま、暖房のきいた部屋でゆっくりとコーヒーを喉に流した。

どうか同じ月の下で、あなたが笑っていますように。

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