照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。
■頼もしくなった弟の友達 真帆サイド
■頼もしくなった弟の友達 真帆サイド


 
 今日は地域住民に向けた農協のイベント、ふれあい感謝祭の日だ。

 地元で採れた野菜や果物の直売会。手作りのジャムやお漬物の販売ブース。農産物や旅行券が当たるビンゴ大会や、焼きそばやフランクフルトなどの屋台。そして、地元の警察署の協力で行われるちびっこ警察官体験コーナー。

 会場ではたくさんの催しが開かれる。

 農協に勤める私がイベント前に各ブースに顔を出し挨拶をしていると、警察官の制服姿の海斗くんがいた。

 彼に会うのは数日ぶりだ。

 前に自宅まで送ってもらったお礼をまだ言えていなかったから、会えてよかった。

 そう思い、『海斗くん、この前は家まで送ってくれてありがとう』と笑顔で声をかけようとすると、海斗くんは表情を固くした。

「今日はよろしくお願いします。農協の方にご迷惑をおかけしないように気を付けますので」

 他人行儀な口調で言い、目をそらす。その海斗くんの態度や表情は、あきらかに私を拒絶していた。

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