虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

23.あなたのお姫様になりたい。

「レナード様、申し訳ございませんでした。私の方が祝いの席にふさわしくないのに、あなたに罪を被せてしまったこと謝らせてください。そして、今後舞踏会にたくさんご一緒させて頂きたいです」

私は姉に言われたことを念頭に彼に謝罪した。

「いえ、今までの私の行動が悪かったと思います。ミリアが嫌な思いをするような場を作ってしまったことを謝罪させてください。それに私は舞踏会が苦手なので、ミリアと一緒にサボるのもありだと思ってました」

私の謝罪の言葉は彼の謝罪で返された。

舞踏会の主役であるはずの彼が、舞踏会が苦手だなんて信じがたい。

だけれど姉の話を聞いた後だと、最初から最後まで長時間女性のダンスパートナーになるのは大変だと分かる。
彼女たちは彼のお客様でもあるから無下にはできないことも理解した。

「あと、他の方とたくさん踊ってください。私は初めてレナード様と踊って令嬢たちの気持ちを理解しました。誰だって人生に一度は王子様に恋をしたお姫様になりたいものなのです。そのような願いを持っていても実際そんなことが自分の人生に起こらないと分かっています。でも、レナード様と踊れば誰でもお姫様になれるのです。そのような機会を私が奪ってはいけないと思います。レナード様も体力的にも精神的にも大変だとは思いますが、お姫様たちの気持ちをご理解頂ければありがたいです」

姉が私が令嬢たちにレナード様にふさわしいと認められれば列がなくなると言っていた。

ならば、あの列は私への不満のパロメーターだ。
< 117 / 219 >

この作品をシェア

pagetop