虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

24.あなたの瞳の色の宝石をくれますか？

私はサイラスを町のカフェに呼び出した。
私たちがアカデミー時代よく行った場所だ。

「ミリア、久しぶり。何か困ったことがあった？」

「まず、最初にこのあいだの私をダンスに誘ってくれたことのお礼を言わせて貰うわ。でも、今後はどんなに私が可哀想に見えても手を差し伸べないと誓って。あなたは優しすぎて放っておく方が厳しいことはわかっているけれど耐えてくれるとありがたいわ」

彼が私をダンスに誘ったのは、あの場の私があまりに可哀想だったからだ。
でも、私は今後彼と踊るわけにはいかないので念を押しておく。

「分かったよ。でも、初めて俺たち一緒に踊ったね。すごく楽しかったよ、ありがとう。きっと俺は死ぬまであの瞬間を忘れないと思う」

サイラスが逆にお礼を言ってくる。
私が駆け落ちまがいのことをしたがった時は、あれほど拒否して私を振ったのに戸惑ってしまう。

「あと、何もかも捨てて一緒に逃げて欲しい無計画なこと言って困らせたこと謝るわ。私はあなたに振られて怒ってしまったけれど、今はあなたが断ってくれてホッとしている。私、自分の力を試したいなんて思っていたけれど、ここ数ヶ月でそんな力なかったことに気がついたの。きっと、あなたが私に付き合って逃げてくれていたとしても、裏庭の草でも食べる生活しかできなかったわ。もしかしたら、裏庭も持てない暮らしをして、草を食べたら、それが他の家の区画のもので罪に問われていたかもしれない。私たち平民で生きた経験なんてないから、彼らの家の区画がどうなっているかさえわからないじゃない」

私は彼に感謝を述べた。