虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

30.お姫様と踊りたい。(サイラス視点)

ミリアがアーデン侯爵と結婚させられるから、帝国外に逃げたいという急ぎの便りを受け俺は待ち合わせ場所に向かった。

彼女は自分は俺を好きだと思い込んでいる。

本当に好きな男との婚約話が出ているのに、俺が彼女の弱みにつけこんで付き合ったばかりにこんなことになってしまった。

彼女が俺を好きだと思い込んだままにして、逃げてしまいたくて仕方なかった。
でも、彼女が本当に好きなのはレナード・アーデンだ。

そして、レナード・アーデンは彼女が毒を持っていることを、分かってて受け入れているのは確実だ。

俺が気がついたミリアの不思議な魅了されるような力に彼が気がつかないはずがない。

そして彼女が常に恐怖の支配によって常に怯えて苦しんで、必死にもがいていたことも見てたのだろう。

皇族がカルマン公爵家の女により操り人形のようになったように、自分が操り人形になってしまう可能性だってある。

そんなリスクを分かってても、彼女を守りたいと思っている本当の王子様を置いて彼女と逃げることなどできなかった。

彼女は俺が自分を振ったことが予想外だったのだろう。
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