虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

31.君のナイトになる。(サイラス視点)

この方法ではダメだ。

皇后陛下に対して否定的なことを言ったら、逆に洗脳を深めてしまったことに繋がっている。

「もしかして、差し入れした使用人は男じゃなかった? ミリアが可愛すぎるから命をかけたくなったのかもよ」

おそらく、皇后陛下は彼女に何もしていない。
ミリアは姉は自分と違い美しいから皇帝が夢中だと思っている。

そして、皇后である姉も持っている不思議な魅了の力の存在に気がついていない。

最初はカルマン公爵家で特殊な訓練でも行われているのかと思ったが、ミリアはよく家のことを打ち明けてくれたしその中にそんな話はなかった。

毎度、カルマン公爵の家の紫色の瞳をした女に皇帝がマリオネットにされていたのだから、みんな紫色の瞳の公女には警戒する。

本当はそんな力を持っているのに警戒されていないミリアこそ、おそらく皇后陛下がずっと持っておきたい駒だ。

そして、自分の容姿に全く自信を持っていなく、アカデミー時代あれだけモテてても男の中に女が1人だったからだと思っている。

鏡というものがあるのになぜそんな勘違いが生まれるのかといえば、皇后陛下による洗脳に違いないと思っている。

なぜ、そんな洗脳をしたのかはミリアが不思議な力に気がつかないためだろう。
美しい姉は当然、男を魅了でき、そうでない自分はお姫様を夢見るしかないと思っていそうだ。
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