虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

37.私はあなたのためなら何でもします。

「レナード様、お恥ずかしながらお願いがあります。私はエメラルド鉱山を買う相当額をバーグ子爵家に払うつもりです。しかし、金額がたりません、以前お話しした宝飾品店の収益の1部を頂けるという話ですがそれをバーグ子爵家にお支払いをして頂ければありがたいです」

今、私はレナード様におねだりをしている。
こんなことをするのは惨めだけれど、私がサイラスにしてしまったことを考えれば当然のことだ。

「そんなことしなくてもエメラルド鉱山などいくつでも買いますよ。ミリア、お願いだから私の渡したお金を使ってください」

私は彼から渡された多額の金額を使う気は無かった。
私は彼の元から去るつもりなのに、それを使うわけにはいかない。

「お願いします。レナード様。私はあなたを頼りたくないのです。あと、バーグ子爵家が鉱山からエメラルドが出るとも気がつかず私に売ってしまったという噂を消してくれませんか?レナード様は噂を操作するのが得意だとお聞きしました」

私は跪いて床に座った。
サイラスがエメラルド鉱山を私のために安価で売ってしまった可能性がある。
私は彼が誰より優しいことを知っている。

私がエメラルドが出るかもしれない鉱山と彼に言った時には、もしかしたらエメラルドが出ていたかもしれない。
なぜならば、彼は私のために夢さえも諦めようとしてきた人だ。

私は彼の優しさにつけ込んできた。
どうしてその事実に今まで向かい合わなかったのだろう。

「ミリア、立ってください。私はあなたのためなら何でもします」
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