虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

45.儀式の会場にお連れします。

目を開けると馬車の中にいた。
レナードの美しい顔がすぐ近くにある。

「あの、私、とんでもないことをしました。子供を殺せなどと陛下に迫った気がするのです。私達、結婚してしまってますか? 私は狂っています、今すぐ事故に見せかけて馬車から投げてください」

何が起こったのか曖昧だが私が彼の迷惑になることをしたのは確実だ。

「ミリア、落ち着いてください。あなたは狂ってなどいませんよ。私たちは結婚しました。今日からミリア・アーデンですよ。怖い夢でも見ましたか? だったらそれは私のせいです」

彼が私を抱きしめてくるが、彼の香りに包まれて安心することで私は自分のしてしまったことを思い出すことができた。

「私、なんてことを! 申し訳ございません。姉のことを切り捨てなければならないのに、本当はこっそり姉の幸せを願っていました。それが原因でおかしな状態になってましたのだと思います。流石、皇族殺しの娘です。陛下に赤子を殺すように迫りました。レナードに迷惑がかかったらどうしよう。結婚してしまってますよね」

涙が出ているのだろうか、風景が滲んでいく。
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