虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

5.サイラスとの出会い。

家でも外でも常に姉が世界の中心だった。
姉と私は父の意向で、他の子よりも社交界デビューが早かった。

社交界デビューでも私は姉のおまけだった。
いつだって、紫色の瞳をした美しい姉が注目された。

公女で紫色の瞳を持った姉の心を捉えることの価値を周りは理解していた。
少女趣味の姉は決してセンスの良い方ではなかった。
それでも姉が着たドレスのデザイナーは有名になり、周囲の人間は姉の機嫌を取り続けた。

家でも常に姉の意向が優先された。
姉はわがままを言っても怒られることがなかったのに、私は何かにつけて床に座らされて怒られた。

立ち居振る舞い、勉強、ピアノのレッスン全てでトップを取らなければ叱責された。
全てをサボっても姉は可愛がられ続けた。

「私の居場所を見つけないと⋯⋯」
毎日のように枕に顔をうずめて10秒間思いっきり泣きながら考えた。
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