虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

10.あなたと私は合わない。

「レナード様、あなたは私の結婚相手として不合格です。私はあなたとの婚約を破棄することにしました」

私は帰りの馬車で意を決してレナード様に伝えた。
昨日も危うく彼に惑わされ、流されるところだった。

しかし、彼の強引すぎるアプローチは私の脳を溶かすのではなく、逆にクリアーにしてくれた。

部屋に忍び込んでいるという高位貴族では許されないような方法で近づいてきた彼に、私は自分が尊重されていないと気が付くことができたのだ。

「私を不合格にしても私とミリアは結婚しますよ。そもそも、ミリアは合格者を出す気はあったのですか?」

彼が言う言葉の意味を理解しかねたが、私はとりあえず反論した。

「自分が不合格になったからって、合格者を出す気がなかったとでも言いたいのですか? 随分な自信家なんですね。この世界に35億もの男性がいるのです。あなたはその中の1人に過ぎないことをお忘れなく」

私は彼に対して非常に腹が立っていた。
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