虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

12.敵、味方、それとも忍び?

「忍びとは、なんのことですか? 申し訳ございません。忍びという言葉を初めて聞いたもので⋯⋯」

初めて困惑した彼の瞳を見た気がする。
私はそんなにおかしいことを、言ったつもりはない。

「東洋で隠密行動をする者のことです。レナード様の行動が忍びのそれに酷似しております」

レナード様はすっとぼけているのだろうか、何だか本当にわかっていないというような気もする。

「例えば、初日に私の後ろに回った行動です。気がつけば私の首にネックレスをかけていましたよね、あれは忍びの行動です」

彼はまだ理解していないようだ。
私は仕方なく説明することにした。

「もし、あれが見えないくらいの細い糸で私の首を狙ったと思うと、あなたはかなりランクの高い忍びといえます。私は気づかない内に、あなたによって抹殺されているのですから」

今思うとあのネックレスかけは、レナード様から私への警告だったのかもしれない。
私が彼の元に嫁いだところで、私程度の素人怖くもなんともない。
何か私が不審な動きでもすれば首を狩るということだ。
< 64 / 219 >

この作品をシェア

pagetop