虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

18.誘ったのは私ですね。

「おはようございます。ミリア」
私は健やかに私の隣で目を覚ましたレナード様に怒りをぶつけた。

「悪夢を見ると言うのは嘘ではなかったですか？　これからの人生の同志である私のことを騙したのですか？」

私は彼がうなされたら起こそうと思っていたが、とても幸せそうに眠っていたので抗議した。
私は婚姻前に悪評がたつリスクを背負いながら彼を隣に寝かせたのだ。

「ミリアが幸せな話をしてくれたので、幸せな夢を見られただけですよ。人生の同志の言うことを信じられないのですか？」

彼の瞳に悲しみの色が宿ったのがわかったので、私は申し訳なくなった。

「そうですよね。私がお役に立てたなら嬉しいです。レナード様、もしかして前にベッドに潜り込んでいたのは私とお話ししたかっただけですか？　眠りにつく瞬間まで話したかっただけだとおっしゃっていましたよね」

私はアーデン侯爵領でレナード様がベッドに潜り込んでいて、慌ててしまった経験を思い出した。

「やっと気がついてくれたのですね。私はミリアとできる限り話したかったのに、恋するような瞳で見つめられ婚前交渉を仄めかされたので期待に応えなければならないと迫ったのです。しかし、拒否されてしまい、それからミリアは私に対して冷めた目をむけてくるようになりました」

彼の言う通りかもしれない、３日間彼の碧色の瞳に映った私は明らかに恋する表情をしていた。
だから彼は私の期待に応えようと過度に迫ってきたのだろうか。
< 93 / 219 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop