実は、愛されまくりの妻でした。
プロローグ~結婚一年目の初夜~
 雲の上にいるような、ふわふわとした感覚の中、愛する彼が愛おしそうに私を見つめている。

 これは夢? ううん、夢に決まっている。だって結婚して一年、彼がこんなにも私を見つめてくれたことなんてある?

 それなら現実ではできないことをしたい。大好きな人の首に腕を回して、ギュッと抱きつくの。そして自ら彼の唇に触れる。

 彼はどんな風に口づけをして、どうやって私に触れるのか。ずっと気になっていた。夢ならすべてをたしかめたい。

 与えられる甘い刺激に応えていると、彼が何度も愛おしそうに私の名前を呼ぶものだから、嬉しくて幸せで夢の中で涙が零れ落ちた。

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