ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
《6》傷ついてるのは
午後からの仕事は、突然始まった頭痛のせいでさんざんだった。
昼まではなんともなかったのに、三浦さんに咄嗟に告げた嘘の言い訳がそのまま実現してしまった。適当なことを言うものではないなとますます気分が塞ぐ。
定時で早々に帰宅した。
残務がいくらか残っていたけれど、明日以降にしようと割り切った。
湯船に浸かるのさえ億劫で、入浴はシャワーで済ませた。湯を浴びたからか、頭痛は幾分か和らいでくれた。
近頃は日中と夜間の気温差が激しい。ドライヤーで髪を乾かし、ちょうどそれが終わった頃、ローテーブルに置いておいたスマートフォンがぶるぶると振動し始めた。
果歩だ。
ドライヤーを置き、すぐに通話に応じる。
「もしもし?」
『あ、ゆず。急にごめんね、今電話って大丈夫?』
「うん。どうしたの、なんかあった?」
なにかあったのは、そう訊いてほしいのは、自分のほうだ。
途端に鼻の奥がつんと痛んで、私は慌てて通話に意識を集中させようとして、けれど続く果歩の言葉に意表を突かれてしまう。
昼まではなんともなかったのに、三浦さんに咄嗟に告げた嘘の言い訳がそのまま実現してしまった。適当なことを言うものではないなとますます気分が塞ぐ。
定時で早々に帰宅した。
残務がいくらか残っていたけれど、明日以降にしようと割り切った。
湯船に浸かるのさえ億劫で、入浴はシャワーで済ませた。湯を浴びたからか、頭痛は幾分か和らいでくれた。
近頃は日中と夜間の気温差が激しい。ドライヤーで髪を乾かし、ちょうどそれが終わった頃、ローテーブルに置いておいたスマートフォンがぶるぶると振動し始めた。
果歩だ。
ドライヤーを置き、すぐに通話に応じる。
「もしもし?」
『あ、ゆず。急にごめんね、今電話って大丈夫?』
「うん。どうしたの、なんかあった?」
なにかあったのは、そう訊いてほしいのは、自分のほうだ。
途端に鼻の奥がつんと痛んで、私は慌てて通話に意識を集中させようとして、けれど続く果歩の言葉に意表を突かれてしまう。