御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
小さな騎士(ナイト)



 *

 卵を割ってボールの中で混ぜていると充輝がやってきた。


「ママ。みっくんもまぜまぜする」


 持ってきた踏み台に乗り、充輝は料理の手伝いがしたいらしい。


「それじゃあお願いしようかな」


 充輝の前にボールを置くと、右手に持った泡だて器でしゃかしゃかと卵を混ぜ始めた。その様子を見守りつつ、冷蔵庫から牛乳を取り出し、必要な量を計量カップに入れる。


「みっくん、牛乳入れるよ」


 溶いた卵が入ったボールの中に牛乳を流し入れる。充輝がまたしゃかしゃかと混ぜ始めた。

 休日の今日、時刻は午前十一時を過ぎた頃。お昼ご飯にパンケーキを焼いている。

 昨夜寝る前に読んだ絵本にパンケーキが出てきて、充輝と晴輝が食べたいと言ったので今日のお昼ご飯に作って食べようと約束していた。


「次に粉を入れるよ」

「みっくんがやる」


 パンケーキの粉が入った袋の封をはさみで切り、それを充輝に渡す。こぼしそうで危なっかしいが、ひとりでボールの中に粉を入れることができた。

 充輝は泡だて器を手に取り、ボールの中身を混ぜ始める。粉も入ったことで少し混ぜにくくなったようなので、私も横から手伝った。

 混ぜすぎると膨らみが悪くなるが、充輝がせっかく手伝ってくれているのだからこの際膨らみは気にしないことにする。


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