御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
四年前の真実



 *

 私の朝は時間との勝負だ。


「ママー。えほんよんで」


 キッチンに立ち、朝食の支度をしていると晴輝がやってきた。手には昔話の絵本を持っている。

 ん、と絵本を手渡され、私は苦笑しながらも晴輝の頭を撫でた。


「わかったよ。その前に朝ご飯の準備をしてもいいかな」


 忙しいのに晴輝は毎日朝ご飯の前に絵本を持ってくる。読まないとご飯を食べてくれないので、時間がないが一冊だけと約束をして読むようにしていた。


「あっちでまってるね」


 リビングの方を指差し、絵本を持った晴輝がそちらに向かって走っていく。

 ひとりで静かに車のおもちゃで遊んでいた充輝のもとへ行き、一緒に遊び始めた。

 私は再び朝食の支度にとりかかる。

 今朝は充輝のリクエストでそぼろご飯だ。晴輝も同じでいいと言ってくれたのでふたりとも同じメニュー。

 鶏そぼろはまとめてたくさん作って冷凍してあるので解凍するだけ。あとは卵そぼろを作ればいい。デザートにふたりの好物のりんごを付け足す。

 本当はもう少ししっかりとした朝食を作って食べさせたいが、朝はとにかく時間がない。

 冷凍してあるお米を温めている間にフライパンで卵そぼろを手早く作る。解凍したお米を小さなお椀にそれぞれ盛り、その上に解凍した鶏そぼろと卵そぼろを乗せた。りんごを剥いてお皿に盛れば朝食の完成だ。

 すぐに食べてもらいたいけれど、その前に絵本を読む約束がある。


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