エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
7・双子の誘拐未遂と和解
 中野家で私達親子と大門寺さんの奇妙な共同生活が始まってから、1か月が経過した。

「おはよう」
「おはよー! パパ!」
「おは、よ……」

 彼を「知らないおじさん」扱いをしていた司は、朝の挨拶ができるくらいには打ち解け始めている。
 誠くんの背中に隠れて大門寺さんの様子を窺うのも止め、涼花や私の背後に引っつく時間が多くなっていた。

「司くんも、だいぶ純司に慣れてきたわねー」
「おー」

 大門寺さんが中野家で暮らすようになってから、誠くんはスマートフォンを見ている時間が増えた。
 双子の面倒を積極的に見ると、司が離れられないと危惧したからだろう。
 私は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、彼に謝罪する。

「ごめんね。誠くんにも、不自由を強いて……」
「全然。どうってことねぇよ。それより、司のケアはしっかりと頼むな。今のあいつは、捨てられた子犬みたいな心情だと思うからさ」
「うん……」

 私は顔を上げずに息子を思いやる誠くんの気持ちを聞き、双子と大門寺さんのほうへ視線を向ける。
 涼花の背中に引っつく司は、瞳に涙を溜めながら妹の気を引こうと必死だった。
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