エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
8・職業体験施設と家族の幸せ
「今まで、お世話になりました!」

 誘拐未遂事件から、数か月後。
 双子の卒園式を終えた私達家族は、住み慣れた中野家から純司さんの暮らしているご自宅へ引っ越す。

「小学校の入園までに間に合って、本当によかったわね~」
「いつでも、遊びに来いよ」

 中野家のお2人に別れを告げ、私達はタクシーを使って純司さんの暮らす一軒家にやってきた。

「ここが、パパのお家!?」
「ああ。これから、君達の帰る家になる」
「わぁ……! 広ーい!」
「りょうか……。手、繋ごう。迷子に、なっちゃう……」
「うん! 探検しよー!」

 涼花は大はしゃぎしながら、慣れない場所に不安の色を隠せない司を引っ張っていく。

「やっぱり、ママとパパがいないとやだ……」
「もう! つかさったら! 寂しがりやさんなんだから!」

 ――元気いっぱいな子ども達は引っ越してきた当初こそ興奮を隠しきれない様子で楽しそうにしていたが、時間が経つに連れて広すぎるのも問題だと感じたらしい。
 真っ先に根を上げた司は子ども部屋ではなく夫婦の寝室にやってくるようになったし、涼花もその後ろを追いかけてきた。
< 147 / 162 >

この作品をシェア

pagetop