エリート弁護士は秘密の双子ごと、妻を寵愛する
5・エリート弁護士による執着愛の果て(純司)
「この子があなたの許嫁よ」

 初めて葵を紹介された時から、彼女のことを好きになれなかったのはどうしてだろう?

三千院(さんぜんいん)葵です。よろしくね、純司!」

 明るく元気な少女は、人々を明るく照らす太陽のような女性だと称されていた。

「こんな素敵なお嬢さんと縁を結べるなんて、夢のようですわ」
「まったくだ」

 両親は彼女を褒めたたえるが、僕にはどうしてもそれが本心だとは思えない。

 ――子ども達の意思を無視してまで、会社を大きくしたいのか?
 息子を使ってよそのお嬢さんと番わせなければ大きくなれない企業など、潰れてしまえばいい。

 心の中で「こいつとは絶対に結婚したくない」と思っていたからこそ、僕は焦っていた。

「この人しかいない」と思うような女性に出会いたい。
 しかし、警備会社社長の息子という肩書きが、それを阻む。

「ええ? 大門寺さんって、御曹司なんですかぁ?」

 誰も彼もが僕の出自を知るや否や、金目当てのような発言をしたのだ。
 葵以上に受け入れがたい女性が山程この世にいるなど、実際そうした人々と接するまでは思いもしなかった。
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