これはもはや事故です!

持つべきものは親友

 部屋の灯りを落とし、美羽はベッドに身体を沈めた。
 薬が効いているのか、じっとしていれば、足の痛みも感じなくなっている。

 ただ、身体は鉛のように重いのに、意識だけが冴えてしまっている。

 目を閉じても、眠りは来なかった。

「……なんで、あんなに優しいんだろう……」

 小さく漏れた独り言が、暗い部屋に溶ける。
 答えなんて、どこにもない。

 ぼんやりと天井を見つめていると、
 手元で、スマホが小さく震えた。
 
 画面に表示されたのは、高校時代からの親友の名前『優佳』だ。

(……あ、助かった。考えすぎて頭おかしくなるところだった)

「もしもし……?」

『美羽、昨日は楽しかったね。帰りが遅くなっちゃったけど、無事に帰れた?』

 優佳の声は、いつも通り勢いがよくて、それだけで気持ちが少し楽になる。

「う、うん……実は、あの帰りに、ちょっと巻き込まれちゃって……」

『えっ⁉ 巻き込まれたって……ナニに?大丈夫なの?』
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