離婚前提のはずが、策士な弁護士が離してくれません。
第四章 気づきたくなかった想い
入籍は済ませたが、落ち着いている暇などない。
現在は挙式、披露宴準備に追われているところだった。
結婚式の準備なんて初めてなので当たり前だが、とにかく考えなければいけないこと、決めなければいけないことが多すぎる。
特に惺久は忙しい仕事の合間を縫って進めなくてはならず、大変そうだった。
「何故結婚式を挙げる俺たちより身内の方が乗り気なんだろうな」
結婚式会場は六条財閥の運営する世界的ホテルとして有名な、ホテル・ミレニアムTOKYOに決まった。
國光の強い推薦によるものだ。
何かと張り切って派手にしたがる祖父を抑えつつ、進めなければならず惺久は早くも疲れていた。
「すまない、孫が結婚する度にああなんだ」
「孫思いのおじいさまですね」
「お祭り騒ぎが好きなだけだよ。余計に苦労をかけると思うが、頑張ろう」
「はい」
入籍は紙切れ一枚書くだけで終わった。
この結婚式を挙げてしまえばそうはいかない。覚悟を決めてやり遂げなければならない。
結婚式を無事に終わらせるという共通使命を持った二人は、戦友のような感覚になっていた。
世界屈指の三つ星ホテルで挙式を挙げるという現実かと疑ってしまう話だが、もはやそんなことは言ってられない。
「気になるドレスがございましたら遠慮なくお申し付けください。ここだけでなく奥にも沢山ございます」
「うわあ……」