一夜限りの関係のはずが、隠れ御曹司から執愛されています
束縛?独占欲?愛の重さ
二日後、懇親会以来の出社をした。
朝、ブースに入ると、いつもより視線を感じる。
それはそうだよね。取引先のトップクラスの人を彼氏だと紹介したんだもん。
ふぅと他の社員にはわからないように呼吸を整えながら自席へと座った。
すると
「おはよう!まさか、小春ちゃんの彼氏がHOPE製薬会社の副社長だったなんて、思わなかった!」
斎藤先輩が私の肩を叩き
「どこで出会ったの?」
目を輝かせながら興味津々に聞いてくる。
さすがに詩音さんが直接紹介してくれたから、架空の彼氏ではないと信じているみたいだ。
なんて答えよう。
「秘密です」
まさかあなたがセッティングした飲み会でなんて言えない。あの時の詩音さんは変装していたし、社外でのモラハラ調査みたいなものだったんだから。
「ええー。どうして?」
断わっているのに斎藤先輩はしつこく聞いてきたけれど「秘密です」といつもなら愛想がないと小言を言われる場面でも、先輩が口調を強くしてくることはない。きっと詩音さんへ私が愚痴ることを恐れているんだろう。人ってこうも変わるんだ。
斎藤先輩の質問責めをなんとかこなし、一日が終わる。退勤しようとした時だった。
会社のエントランスで立っている新の姿が見えた。
うわ、会いたくないのに。瑠璃さんでも待ってるのかな。
話しかけることなく、その場を通りすぎようとしたけれど
「小春」
名前を呼ばれて、思わず振り返ってしまった。
「なに?」
「待ってたんだ。ちょっと話せないか?」
私を待ってたの?なんのために?
「何を話すの?言っとくけど、真宮さんとの関係についてはあなたに話すことはないよ」
自分の昇進のために私を利用しようとしているに違いない。
「そうじゃないんだ。ここでは話せないことなんだけど……」
他の社員の目もある。こんなところを見られて、悪い噂を立てられたら詩音さんにまで迷惑をかけちゃうかもしれない。
「だったら文章にして送ってください」
私はその場を去ろうとしたが
「待てよ!」
新が私の腕を引っ張った。
「ちょっと、やめて」
振り払おうとすると
「やめてもらえますか?」
新のうしろに詩音さんが立っている。
「えっ。どうして?」
今日うちの会社に来るなんて言ってなかったのに。
詩音さんはスタスタと足早に近づき
「何か彼女に用事があるんですか?」
眉間にシワを寄せながら新に訊ねていた。
こんなあからさまに不機嫌な詩音さん、はじめて見る。
「いえ。すみません」
新は詩音さんの様子に怯えたように一歩下がり
「失礼します」
一礼をして去って行った。
「あの、詩音さん。どうしてここに?」
「上層部と仕事の話をしていて。ちょうどみなさんの退勤時間に終わり、小春さんがいないか探していたんです」
そうだったんだ。来てくれて助かった。
あれ、詩音さんの雰囲気が違う。いつもみたいにフワッとしていない。どこかピリピリしているように感じる。
「車で一緒に帰りましょう」
彼に腕を引かれ駐車場へ行き、車に乗ると
「きゃあっ」
いきなりリクライニングにされ、身体が後ろへ倒れた。
そして
「んっ……」
詩音さんからキスをされる。
「ふっ……。んっ……」
舌が入ってきて、息ができない。
「はっ……。あぁ……」
強引なキスがしばらく続き
「詩音さんっ、どうしたの?」
一旦唇が離れたタイミングで、彼の口を手で塞ぐ。
「あの人、元彼ですよね?小春さんに触れていたので、イライラしてしまって」
たしかに新は私を引き止めるために腕を引っ張ったけど。 あのことを触れたって言っているの?
朝、ブースに入ると、いつもより視線を感じる。
それはそうだよね。取引先のトップクラスの人を彼氏だと紹介したんだもん。
ふぅと他の社員にはわからないように呼吸を整えながら自席へと座った。
すると
「おはよう!まさか、小春ちゃんの彼氏がHOPE製薬会社の副社長だったなんて、思わなかった!」
斎藤先輩が私の肩を叩き
「どこで出会ったの?」
目を輝かせながら興味津々に聞いてくる。
さすがに詩音さんが直接紹介してくれたから、架空の彼氏ではないと信じているみたいだ。
なんて答えよう。
「秘密です」
まさかあなたがセッティングした飲み会でなんて言えない。あの時の詩音さんは変装していたし、社外でのモラハラ調査みたいなものだったんだから。
「ええー。どうして?」
断わっているのに斎藤先輩はしつこく聞いてきたけれど「秘密です」といつもなら愛想がないと小言を言われる場面でも、先輩が口調を強くしてくることはない。きっと詩音さんへ私が愚痴ることを恐れているんだろう。人ってこうも変わるんだ。
斎藤先輩の質問責めをなんとかこなし、一日が終わる。退勤しようとした時だった。
会社のエントランスで立っている新の姿が見えた。
うわ、会いたくないのに。瑠璃さんでも待ってるのかな。
話しかけることなく、その場を通りすぎようとしたけれど
「小春」
名前を呼ばれて、思わず振り返ってしまった。
「なに?」
「待ってたんだ。ちょっと話せないか?」
私を待ってたの?なんのために?
「何を話すの?言っとくけど、真宮さんとの関係についてはあなたに話すことはないよ」
自分の昇進のために私を利用しようとしているに違いない。
「そうじゃないんだ。ここでは話せないことなんだけど……」
他の社員の目もある。こんなところを見られて、悪い噂を立てられたら詩音さんにまで迷惑をかけちゃうかもしれない。
「だったら文章にして送ってください」
私はその場を去ろうとしたが
「待てよ!」
新が私の腕を引っ張った。
「ちょっと、やめて」
振り払おうとすると
「やめてもらえますか?」
新のうしろに詩音さんが立っている。
「えっ。どうして?」
今日うちの会社に来るなんて言ってなかったのに。
詩音さんはスタスタと足早に近づき
「何か彼女に用事があるんですか?」
眉間にシワを寄せながら新に訊ねていた。
こんなあからさまに不機嫌な詩音さん、はじめて見る。
「いえ。すみません」
新は詩音さんの様子に怯えたように一歩下がり
「失礼します」
一礼をして去って行った。
「あの、詩音さん。どうしてここに?」
「上層部と仕事の話をしていて。ちょうどみなさんの退勤時間に終わり、小春さんがいないか探していたんです」
そうだったんだ。来てくれて助かった。
あれ、詩音さんの雰囲気が違う。いつもみたいにフワッとしていない。どこかピリピリしているように感じる。
「車で一緒に帰りましょう」
彼に腕を引かれ駐車場へ行き、車に乗ると
「きゃあっ」
いきなりリクライニングにされ、身体が後ろへ倒れた。
そして
「んっ……」
詩音さんからキスをされる。
「ふっ……。んっ……」
舌が入ってきて、息ができない。
「はっ……。あぁ……」
強引なキスがしばらく続き
「詩音さんっ、どうしたの?」
一旦唇が離れたタイミングで、彼の口を手で塞ぐ。
「あの人、元彼ですよね?小春さんに触れていたので、イライラしてしまって」
たしかに新は私を引き止めるために腕を引っ張ったけど。 あのことを触れたって言っているの?