身代わり花嫁は無愛想なエリート外科医(超甘党)からの極甘溺愛を刻まれる
第2話 姉の身代わり
翠一族は国内の政財界の中心に立つと言っても過言ではない一族。元は華族の地位に立っていて、翠総合病院の運営を担っているだけでなく、様々な企業を経営したり、政治の世界でも活躍を続けている。しかも現当主の父親……病院で噂に聞く限りは大御所様と呼ばれているらしき方は確か総理大臣経験者だったはずだ。
そんな巨万の富を築き上げた華麗なる者達に属する男性が姉さんに求婚だなんて。一体姉さんの身になにがあったのか。
「え、姉さん?!」
「あ、詩織! え、美咲、今からそっちに来いって?! わ、わかった。詩織、来れるか?」
「翠総合病院だよね? 私は大丈夫。お父さんは?」
「ああ、行くしかないだろう。わかった、今向かう。美咲は病棟で待っていてくれ」
ぴっと震える指先でスマホの画面を押す父親を間近で見た私は、ああ、この人も動揺しているなとちょっとした安心を覚えた。が、それだけで衝撃がマシになる訳はない。
「姉さんが、結婚……」
厨房を後にして私服に着替えている最中、私は心の中でもやもやした何かが生まれて来るのを感じていた。もし仮に姉さんが結婚を望めば、自分は素直に祝えるのだろうか? 結婚なんかしたくないのに……いざ姉さんにそう言う話が来たらと考えてしまうだけでなんで私はもやもやしてるんだろう。決めるのは姉さんなのに。
そもそも姉さんから直接結婚願望を聞いた事はないし、今の姉さんの身体では結婚生活に耐えられるのか疑問もある。お相手の方は姉さんの状況を知ってるのだろうか?
そんな巨万の富を築き上げた華麗なる者達に属する男性が姉さんに求婚だなんて。一体姉さんの身になにがあったのか。
「え、姉さん?!」
「あ、詩織! え、美咲、今からそっちに来いって?! わ、わかった。詩織、来れるか?」
「翠総合病院だよね? 私は大丈夫。お父さんは?」
「ああ、行くしかないだろう。わかった、今向かう。美咲は病棟で待っていてくれ」
ぴっと震える指先でスマホの画面を押す父親を間近で見た私は、ああ、この人も動揺しているなとちょっとした安心を覚えた。が、それだけで衝撃がマシになる訳はない。
「姉さんが、結婚……」
厨房を後にして私服に着替えている最中、私は心の中でもやもやした何かが生まれて来るのを感じていた。もし仮に姉さんが結婚を望めば、自分は素直に祝えるのだろうか? 結婚なんかしたくないのに……いざ姉さんにそう言う話が来たらと考えてしまうだけでなんで私はもやもやしてるんだろう。決めるのは姉さんなのに。
そもそも姉さんから直接結婚願望を聞いた事はないし、今の姉さんの身体では結婚生活に耐えられるのか疑問もある。お相手の方は姉さんの状況を知ってるのだろうか?