半分夢がかなった男

半分夢がかなった男

 ケチな3人の男たち。節約しながらその日ぐらしをしていた。いつか大金持ちになって有名になってやるという夢だけはもち合わせていたのだが――

 ニュースを見ながら、Aはあくびをしながらひとりごとを言った。
A「強盗事件の逃亡者に賞金が出るのかぁ。警察は10億円の強盗事件を賞金100万円で解決するってわけかぁ」

 Bはとても驚いて立ち上がりながら持っていた新聞をにぎりしめた。
B「なんと、10億円も強盗するなんてけしからん奴だ。賞金がでるのならば、喜んで協力しよう」

 Cは面倒くさそうに寝そべったまま尻をかいている。
C「え? 賞金は100万円それっぽっちじゃわりに合わないよな。俺たちが100万円なんかで動くわけないだろ」

 これを聞いた男は、すぐさま怪しいと思い、警察に通報した。誰が通報したでしょう?

 サイレンの音が鳴り響く。お迎えが来たようだ。
 さて、誰にお迎えがきたでしょう??
 


★解説

 これは、強盗犯2人と犯人以外の1人との会話。
 10億円手にした人間にとって100万円ははした金にしか感じないもの。それが普段ケチな奴らならば尚更おかしいと思わない? 
 100万円がほしいと思ったBは通報したという話。
 普段100円でも多く手に入れたいとケチな奴らが100万円をそれっぽっちというあたりに違和感を覚えたみたいね。
 そして、大金持ちになって有名になるという夢だが、AとCは半分だけかなえられたのよ。
 大金持ちという夢はかなわなかったけれど、有名にはなれたんだもの。
 だって、ニュースになって本名と写真が公表されれば全国的に有名人よね。
 Bも100万円というお金が入って、通報者として警察に表彰されたからBは一番夢がかなったのかもしれないね。
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