追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜

13楔

「だからこうして出会うことができた!今度こそ離さない、その狼にも誰にも渡さない!未来永劫俺のものだ、リーリア!」

 ファシウスがそう言うと、ファシウスから赤紫の光が四方八方から伸びてくる。だが、またレイヴンの黒い羽がそれを阻止した。

「ごちゃごちゃとわめきやがって。しつこい男は嫌われるって習わなかったのか?」

 レイヴンが腕を組み、呆れたような顔でそう言うと、ファシウスはチッと気に食わなさそうに舌打ちをした。

「あ?カラス風情が邪魔するなよ。神獣にちょっと気に入られてたからって良い気なものだな。お前なんて俺が本気を出せば一瞬で黙らせることができるんだぞ」

 ファシウスが鼻で笑いながらそう言うと、エリスを見る。

「リーリア、もしリーリアが自分の意思で俺の元にくるなら、その狼もカラスもこの森も見逃してあげよう。俺はリーリアさえ手に入れば他はどうだっていい。だけど」

 そう言ってファシウスは目をギラリと見開く。

「君がまた俺を選ばないと言うのなら、狼もカラスもこの森も、全部跡形もなく消し去ろうじゃないか!まずはそうだな、そのカラスからだ。羽をむしり取りくちばしをもいでギタギタに斬り刻んでやろう、生意気な口をきいた報いだ。その後狼も首を跳ね、四肢を切り刻み心臓をえぐり出す。そして、この森は焼き尽くそう!」

< 66 / 80 >

この作品をシェア

pagetop