電話越しで恋をした副社長から、突然プロポーズされました

気がつけば、季節は秋になっていた。
金曜日の夜に翔太さんが東京からやってきて、日曜日の朝に帰るという生活を続けている。
彼が来る日は外食よりも私は手料理を作ることが多くなっていた。
いつも忙しいのに、わざわざ週末に北海道に来る生活をしている。
無理をさせていないかと心配になって、せめて体にいいものを食べてほしいと思ったのだ。
小さい部屋だけれど、翔太さんと過ごすだけで特別な空間に変わった気がする。
台所に立っていると後ろから抱きしめられる。
「明菜」
「どうかしましたか?」
「来週末は福岡に出張でさ。明菜に会えなくて寂しすぎる」
ここ最近毎週のように会っていたので、二週間会えなくなってしまう。
考えるだけで心臓が潰されていくような感じがした。
こんな感情が芽生えてくるなんて知らなかった。
「急に元気なくなったね、明菜」
「仕事だから仕方がないですもんね。体には気をつけてほしいです」
「明菜、金曜日の仕事が終わったら福岡に来ちゃおうか?」
「福岡に……ですか?」
「行ったことある?」
私は九州に足を踏み入れたことがないので、首を左右に振った。
翔太さんは、私から離れてソファに腰をかけ、スマホを操作する。
「土曜日の夜と日曜日の昼間は時間が取れるから、福岡に来てみるか?」
「行ってみたいです」
翔太さんはすぐに飛行機の手配をしてくれた。
来週も彼に会えるのだと思うと体が宙に浮くような感じがする。
「ありがとうございます! すごく嬉しいです」
私から抱きつくと翔太さんは思いっきり抱きしめてくれた。
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